イラク占領の何が問題だったのか
――CPA顧問が振り返る占領の真相
2004年9月号

「国家が崩壊している戦後の環境にあっては、治安の安定が何にもまして重要になる。治安こそ、その他の社会活動のすべてを支える基本である。最低限の治安がなければ、貿易も商業もできないし、社会を組織して再編することもできない。ましてや市民が政治に参加することもない。治安が確保されていなければ、そこにあるのは混乱、不信、絶望だけだ。ベトナムの時と同様に、ワシントンはいまにも風向きが変わると考え続け、民衆の不満の深さを理解しようとしなかった」