1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。

に関する論文

政治制度とイラク民主化の行方

2004年5月号

グラハム・E・フラー/ランド研究所上席研究員

中東問題の知的で冷静な評論で知られるグラハム・フラーは、「イラクの民衆が正統性を備えていると考えるような民主的システムをアメリカがイラクに残せるかどうか」が今後を大きく左右すると指摘する。そのような制度があれば、シスターニ率いるイラクの多数派であるシーア派は制度の枠内で活動しようとするだろうと指摘するフラーは、一方で、イラク人が正統性を認めるような憲法や政治秩序をアメリカが確立できなければ、各集団は武力を行使して政治権力を手にしようとするだろうと今後を予測する。 聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。 全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

シーア派の歴史とイラクの未来

2004年5月号

イツハク・ナカシュ/ブランダイス大学歴史学助教授

ブッシュ政権が考える新生イラクのビジョンとシーア派が思い描く戦後イラクのビジョンの間には大きな開きがある。ワシントンは親米政権が率いる欧米型の民主的イラクを思い描いているが、シーア派、そして他のイラク人の多くは、自分たちの文化と伝統を反映する独立したイラク、ペルシャ湾における米軍の拠点として利用されないイラクの実現を望んでいる。

米大統領選挙と外交論争

2004年4月号

レスリー・H・ゲルブ/前米外交問題評議会会長

2004年の米大統領選挙では1972年以来30年ぶりに、外交問題が論争の焦点の一つにされるだろうと、レスリー・ゲルブ前米外交問題評議会会長は予測する。単独行動主義か、国際協調かが主要な争点とされるであろう今回の選挙でどちらを支持するかと聞かれれば、「私はケリーを支持する」とゲルブは民主党候補への支持を表明した。また、戦後のイラクについては、クルド人、スンニ派、シーア派を共存させるには、イラクを連合国家にするしかないと指摘した。ゲルブはすでにニューヨーク・タイムズ紙でイラク連合国家論を展開している。  

聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。  全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

アメリカ帝国のジレンマ

2004年4月号

ディミトリ・K・サイメス/ニクソン・センター会長

現実主義と理想主義のバランスのとれたアメリカの外交コンセンサスは、ベトナムの混迷を前に分裂した。1990年代までには、リアリストの力は衰退し、(自分たちの目的の実現だけを目指す)シングルイシュー志向の利益団体や非政府組織(NGO)が台頭し、テレビが造りだす情緒的なイメージも大きな影響力を持つようになった。その結果、アメリカの外交政策は、「理想主義的ながらも国益を重視する路線」から、「世界を改革しようとするグローバルな社会工学の手段」へと変化していった。「アメリカは世界中どこにでも民主主義を広めていく権利と義務がある。必要なら軍事力を行使することも辞さない」。この新しいユートピア的ビジョンが誕生したのは、このような文脈においてだった。

ブッシュ政権は開かれた社会に対する脅威だ

2004年4月号

スピーカー ジョージ・ソロス ソロス・ファンド・マネジメント会長
司会 チャーリー・ローズ 米公共放送(PBS)「チャーリー・ローズ・ショー」ホスト

世界的に有名な投資家ジョージ・ソロスがブッシュ批判を展開した。「アメリカは圧倒的なパワーを乱用して自分の意思を世界に押しつけようとしている」と。秋の大統領選については民主党のジョン・ケリー氏支持を明言した。邦訳文は、2004年2月18日にニューヨークの米外交問題評議会で行われたミーティング・プログラムからの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

真にリベラルな国際主義ビジョンを
――保守派から国際主義を奪還せよ

2004年4月号

スザンヌ・ノッセル 元米国連大使補佐官

9・11以降、リベラルな国際主義を乗っ取った保守派は、単独行動主義に人権や民主主義のレトリックをまとわせている。しかし、ブッシュ政権の軍事偏重主義は、彼らがハイジャックしているリベラルな国際主義の理念とは本質的に相いれるものではない。21世紀におけるリベラルな国際主義を再興させるために、リベラルな国際主義者は、共和党の政策決定者からこの思想を奪い返し、保守派に悪用されないようにしなければならない。自由・自由貿易・人権の促進という野心的なアジェンダに取り組んでいくことが、長期的には、テロリズムその他の脅威に対する安全を高めていく最善の方法である。

兵器拡散を「阻止する義務」と国家主権
――事後対応から予防的対応へ

2004年2月号

リー・フェインシュタイン/米外交問題評議会シニア・フェロー
アン・マリー・スローター/米国際法学会会長

北朝鮮の核開発のケースからも明らかなように、既存の核不拡散レジームや国家主権を重視する二十世紀型の国際法では、大量破壊兵器(WMD)開発を固く決意した国が兵器を獲得するのを阻止できない。
二十一世紀のグローバル社会の平和と安全を維持するには、状況対応型ではなく、将来を見据えた予防的行動をとる必要がある。人々を人道的悲劇から「保護する責任」同様に、安全保障分野でのWMD拡散を「阻止する義務」という概念を確立する必要がある。

CFRイラク問題アップデート
イラクの主権回復への道

2004年1月号

シャロン・オッターマン www.cfr.orgのスタッフライター

ブッシュ政権は、イラクへの主権委譲に関する日程を大幅に前倒しして実施することを昨年末決定した。二〇〇四年二月に暫定憲法が導入され、五月には暫定国民会議、六月には暫定政府が組織され、主権も委譲される予定だ。主権の早期委譲を目指す新しい政治プロセスは、反占領勢力に対するゲリラ戦と国内勢力間の抗争を鎮めていくのだろうか。それとも、新たな抗争の火種をつくり出すことになるのか。以下はイラクの今後の政治プロセス、そして暫定憲法の制定、暫定国民会議の形成にますます大きな役割を果たすことになるイラク統治評議会に関するQ&A。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

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