選挙後のイラクと憲法起草
2005年6月号

1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。
2005年6月号
2005年6月号
1997年にH5N1ウイルス株が香港で確認されて以来、このウイルスは急速なペースで変異している。現在東南アジアにいるH5N1は香港で確認されたものとは違うタイプだし、人から人への感染力をもうすこしで持つところまで変異を重ねており、もはや細胞の再集合を必要としない段階まできているのかもしれない。われわれが危機感を抱いているのはこのためだ。(M・オスタホルム)。邦訳文はワシントンで6月中旬に開かれたCFRミーティングでの討論からの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。フォーリン・アフェアーズ日本語版では次号から、鳥インフルエンザ関連のフォーリン・アフェアーズ論文を紹介していく予定。
2005年6月号
北朝鮮が核兵器を保有し、仮に核実験を行ったとしても、中国は北朝鮮の体制の安定を望むだろう。中国や韓国が北朝鮮に対する圧力を強化することに合意するとはまったく思えない。北朝鮮の体制の不安定化を望んでいない以上、強硬な圧力で追い込むのは中韓の利益ではないからだ。(D・ピンクストン)
2005年6月号
原油価格が1バレル40ドルを超える水準にあるのはここ1年にすぎない。それまでは20ドル程度で、1990年代の平均は18・5ドル程度だった。われわれがここで突然、今後50ドルを原油価格の基準にして現在の行動や将来の投資を決めれば、石油産業の規律は大きく失われる。(N・バトラー)
現在のドル価値に換算すると、2011年の原油価格は1バレル約40ドルで取引されていると予測できる。今後も現在のような高水準の原油価格が続くと考えるのは妥当ではない。(D・ビクター)
2005年6月号
独裁や抑圧を、中東では昔から行われてきた統治手法とみなすのは間違っている。こうした見方は、アラブの歴史への無知、現在のアラブへの軽蔑、そしてアラブの未来に対する無関心の裏返しにすぎない。中東の抑圧政権はごく最近登場したものだし、イスラム文明の基盤とは異質なものだ。中東には民主主義を支えるアラブの伝統があるし、イラクでの選挙の成功は、長く苦しみ続けた中東の人々がついに自由と正義を実現する機会を手にしていることを意味する。
2005年5月号
現在でも日本が受け入れている外国投資の規模はポルトガルへの外国からの投資規模と変わらない。外国からの直接投資、そして輸入の受け入れについて、日本はいまも開放的とはいえない。一方、中国は輸入に国内市場を開放している。この点からも中国を保護主義的だと槍玉に挙げるのは難しい。(ヒルズ)
どのような人民元対策であれ、中国は、それによって経済成長が損なわれず、雇用創出のペースが鈍化しないような措置しかとらないだろう。というのも……現在北京は、雇用創出と社会の安定は不可分の関係にあるととらえているからだ。(バーシェフスキ)
邦訳文は、ニューヨークの米外交問題評議会で開かれたコーポレート・プログラムでの世界貿易をテーマとする討論における中国に関する議論の抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。
2005年4月WEB
それは、2001年3月29日、米上院の外交委員会でのジョン・ボルトンの国務次官指名承認公聴会での出来事だった。バーバラ・ボクサー上院議員(民主党・カリフォルニア州)は、ボルトンが「国際連合などというものは存在しない」と過去に述べたことを引き合いに出し、この見解は「アメリカで主流の見解から大きくはずれている」とただした。
外交委員たちの厳しい質問への弁明を試みるボルトンに対して、後に民主党大統領候補となるジョン・ケリー上院議員(民主党・マサチューセッツ州)は、過去の発言からみて、あなたのここでの証言は「指名承認を得るための転向、変節ではないか」と迫る。ここで、ボルトンの強力な支持者で、国連批判を展開し、主権至上主義の急先鋒として知られる長老のジェシー・ヘルムズ上院外交委員長(共和党・ノースカロライナ州)が声を上げる。「ジョン、立場を変えてはいけない。彼らは君を陥れようとしている」(注1)。・・・
2005年4月号
2005年4月号
ウクライナのオレンジ革命が冷戦後の東ヨーロッパの歴史の大きな分岐点、この地域が地政学的に大きく欧米側にシフトするという分水嶺であることは間違いないが、オリガーク(寡頭政治の支配者)による圧政を国内運動で打破したウクライナの革命が、ロシアを含む他の旧ソビエト諸国にどのような影響を与えるかはまだわからない。ヨーロッパとロシアの間で揺れる国々にとって、オレンジ革命は何を意味するのか。そしてウクライナはどこへ向かうのか。
2005年3月号
核兵器の価値を認め、核拡散を不可避とみなす宿命論が勢いを得ていけば、新たな核武装化の波が起きる。北朝鮮やイランの核開発の脅威を前に、世界は無節操な核拡散へ向かいかねない危険な状態にある。この潮流を押し返せるとすれば、核の平和利用という名目の下に何が許されるのかを再定義することに各国が前向きになり、すべての国が合意するコンセンサスをとりまとめられた場合だけだろう。