1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。

に関する論文

京都合意を超えて
――温暖化対策と企業、政府の役割

2004年8月号

ジョン・ブラウン/BP(旧ブリティッシュ・ペトロリアム)グループ最高経営責任者

京都から7年。温室効果ガスの削減という問題が解決可能であること、そしてその実現のためのメカニズムが手の届く範囲内にあることははっきりとしてきている。いまこそ慎重な楽観主義の精神に基づいて、京都議定書をめぐる議論を一歩先に進める時だろう。現状に失望するのは間違っている。

北朝鮮核危機の行方
――1994年核危機の教訓を生かせ

2004年8月号

スコット・スナイダー/アジア財団シニア・アソシエート

6者協議を進展させるつもりなら、ワシントンはソウルとの同盟関係の修復を図って立場の違いを少なくし、対北軍事路線をめぐる米韓の間の亀裂に平壌がつけこめないようにしなければならない。北朝鮮は、これまでもアメリカの怠慢と無関心につけこんできた。ワシントンが焦点の定まらない態度をとり続ければ、第2次北朝鮮危機は壊滅的な事態に直面する。政権交代を漫然と待っているのは、ワシントンにせよ、北朝鮮にせよ、真っ当な戦略とはいえないだろう。

アフガニスタン ――軍閥という悪夢

2004年8月号

キャシー・ギャノン/AP通信アフガニスタン・パキスタン支局長

アメリカはアフガニスタンの北部同盟と手を組んで、アルカイダとタリバーンの掃討作戦に乗り出したが、この新しい盟友のなかには、タリバーンが権力の座に就く前にアフガニスタンに未曽有の破壊をもたらした当事者たちが紛れ込んでいた。

北部同盟のムジャヒディンの多くは、タリバーンと比べてさえ遜色ないイスラム原理主義者たちだ。アメリカは北部同盟に武器、資金、さらには名声までも与えて彼らを増長させ、その結果、そもそも脆弱なカルザイの権力基盤がますます損なわれている。

ソフトパワーの衰退と対テロ戦争
――広報外交を強化せよ

2004年8月号

ジョセフ・ナイ/ハーバード大学教授

「親米路線をとることが各国における国内政治にマイナスに作用するまでにアメリカの評判が悪くなれば、外国の政治指導者はアメリカと前向きに協調しようとはしなくなる」。世界におけるアメリカのソフトパワーの重要性をワシントンが軽くみれば、高い代価を強いられることになると警鐘するジョセフ・ナイは、アメリカは広報外交を強化するためにも、「まず相手の言い分に耳を傾ける必要がある」と指摘する。

邦訳文の前半はフォーリン・アフェアーズ五/六月号のナイ論文、後半は米外交問題評議会で開かれたソフトパワーをテーマとするミーティング・プログラムの議事録。いずれも抜粋・要約。後半のミーティングの司会は、ジョセフ・レリベルト、ニューヨーク・タイムズ紙前編集主幹。議事録の全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

クラシック・セレクション
アフガニスタンという帝国の墓場

2004年8月

ミルトン・ベアーデン  元駐アフガニスタンCIA作戦部長

パキスタンの荒野の西端、曲がりくねったカイバル峠の最後の前哨地点であるミシュニ・ポイントは、トーカムゲートを見下ろす軍事的要所だ。ここは一見(パキスタンと)アフガニスタンとの秩序だった国境のようにも見えるが、じつはそうではない。この地域を警備するのは、灰色のサルワール・カミーズ(伝統的な緩めのチュニックズボン)をはき黒色のベレー帽をかぶった伝説的な「カイバル・ライフルズ」たち。十九世紀以降、当初は英領インドのために、後にはパキスタンのために、民兵組織「カイバル・ライフルズ」の少佐が人影もまばらなこのアフガニスタン国境の警備の指揮に当たってきた。ミシュニ・ポイントは、南・中央アジアの支配、あるいは、南・中央アジアからの侵略のルートとしてもっとも頻繁に利用された要所である。だが、ここを通過してアフガニスタンへと兵を進めた勢力のすべては、手に負えないアフガニスタン部族との問題に遭遇することになった。

リアリズムを捨てたハンチントンの変節
――移民社会アメリカのジレンマ

2004年7月号

アラン・ウルフ/ボストン・カレッジ政治学教授

エリートたちが国益を現実主義の立場から守っていこうとしても、大衆の幻想にどうしても振り回されてしまう。この点を驚くべき洞察力で分析し、エリートのリーダーシップを強く擁護してきたハンチントンだが、ここにきて突如、大衆迎合路線へと転じたようだ。アメリカの一般市民の感情的防衛本能のほうがエリートの冷淡なコスモポリタニズムよりも理にかなっていると主張した彼は、いまや移民排斥論を唱えはじめている。

論争 二〇〇四年米大統領選挙と外交政策

2004年7月号

マックス・ブート/米外交問題評議会シニア・フェロー
スティーブ・クック/米外交問題評議会フェロー

ジョージ・ブッシュ大統領、そして、党大会で民主党の大統領候補に選ばれることが有力視されるジョン・ケリー上院議員(マサチューセッツ州選出)は、一連の選挙演説を通じて国家安全保障路線の大枠を示しつつある。問題は、両者が示す外交政策が非常に似通っていることだ。「誰が誰をまねしたのか、どちらが、目的を実現する上でより優れた手段をとれるか」。概念上、路線上の論争よりも、むしろ、外交手段、そして大統領候補たちの政治的資質が二〇〇四年米大統領選挙の外交論争の焦点になる可能性もある。邦訳文は、ともに米外交問題評議会のフェローであるマックス・ブート、スティーブ・クックによる大統領選挙に関する往復書簡からの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

グローバル・パワーシフト
――アジアの台頭を直視せよ

2004年7月号

ジェームズ・ホーグ/フォーリン・アフェアーズ誌編集長

台頭する中国と低迷する日本の関係は今後どうなるのか。対立へと向かうのか、それとも同盟関係を結ぶことになるのか。アジアには中国をも追い抜きかねないインドという潜在的大国も控えている。台湾、カシミール、北朝鮮という問題を抱えるアジアでの新しいパワー再編の中枢を担うのは中国、そしておそらくはインドだろう。アメリカはこうしたアジアの再編にどう備えるべきか。

国際的養子縁組のための多国間ルールを強化せよ

2004年7月号

イーサン・カプスタイン/欧州経営大学院政治・経済学教授

乳幼児は5000~2万5000ドルで売買されており、貧困にあえぐ国ではこれは大金だろう。受け入れ国の養親は、こうした不正があるにもかかわらず、乳児を受け取る際に謝礼金を払う。養親は受け入れる子どもによりよい暮らしを与えたい一心なのだが、自分の行動が人身売買を後押ししているかもしれないことには気づいていない。

共和党の外交政策
 ――国内的結束と対外的協調を

2004年7月号

チャック・ヘーゲル/米共和党上院議員

共和党の外交政策は同盟関係や国際機関のことを、われわれのパワーを制約するものとしてではなく、われわれの影響力を拡大するものとみなさなければならない。アメリカを含むいかなる国も、単独では21世紀における課題に対処していくことはできない。対テロ戦争に勝利を収めるには、よどみのない同盟関係のネットワークを築く必要がある。

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