アメリカの覇権と世界
――覇権国は帝国の歴史から何を学ぶべきか
2004年12月号
「帝国の時代」は終焉を迎えたかもしれないが、その後、アメリカ覇権の時代が始まった。帝国、あるいは帝国に似た存在であれば、妬まれ、憤慨され、疑われ、信頼されず、往々にして憎しみの対象とされるのは避けられない。現在の国際政治も、アメリカの優位とそれに対する反発で規定されている。だが、勢力均衡がいまに復活することはあり得ず、国連もうまく世界の問題を解決できてはいない。覇権国アメリカは、帝国の歴史が教える叡智に学びながら、混沌を回避するために世界に介入せざるを得ない。