1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。

に関する論文

ヨーロッパで誕生する新ジハードの戦士

2005年8月号

ロバート・S・レイケン ニクソン・センター・移民・国家安全保障プログラムディレクター

アルカイダがテロ要員のリクルートの標的にしているのは、ヨーロッパのイスラム系移民の二世たちだ。ヨーロッパのカフェ、簡易礼拝堂、イスラム系書店、刑務所、学校でのイスラム過激派との出会いによって、イスラム系移民の子どもたちが感化され、西洋に対するイスラム聖戦へと身を投じている。すでにオサマ・ビンラディンはヨーロッパ内の数多くのテロネットワークに戦略的指針を与え、活動を鼓舞している。こうしたテロネットワークは特定の任務のために集合し、プロのテロリストと訓練生のなかから実行グループを編成してテロを遂行し、その後解散しては新たな任務の下に再結成するというパターンを繰り返している。

鳥インフルエンザが人類社会を襲う?
――H5N1ウイルスの脅威にどう対処するか

2005年7月号

ローリー・ギャレット/米外交問題評議会シニア・フェロー

人から人へと感染する鳥インフルエンザの猛威を前にすれば、隔離政策をとり、国境線や空港を閉鎖する国も出てくるだろう。国境線を超えた貿易と人の流れは滞り、経済の生産性は低下し、株価が暴落する恐れもある。グローバルな安全保障体制も脅かされる。鳥インフルエンザに兵士や警官が感染すれば、各国、世界の治安と安全保障は大きく損なわれる。そう遠くない未来に、変異を重ねる鳥インフルエンザウイルスによって、この悪夢のようなシナリオが現実となりかねないことを示唆する科学的証拠が出そろいつつある。外交政策、国家安全保障に責任を負う人々に、この警告を無視できるような余裕はないだろう。

悪の枢軸と政権交代策の限界

2005年7月号

リチャード・ハース/米外交問題評議会会長

北朝鮮やイランへの政権交代策、限定的な軍事行動、抑止策など、これらは、いずれも個別の選択肢として検討し得るものだが、これらを外交路線を支える包括的なアプローチを構成する要素として位置づけるべきだろう。外交を重視しなければならない。外交交渉なら成功の見込みがあるし、強硬策への国際的支持を取り付けたいのなら、まず外交的にすべてを試み、それがうまくいかなかったことを立証しなければならないからだ。

7月上旬、上海協力機構が中央アジアからの米軍の撤退を事実上求める声明を発表したことで、中央アジア情勢は一気に流動化しつつある。ウクライナ、グルジア、キルギスでの民主化運動に危機感を強めるロシア。ワシントンの対中封じ込め路線を警戒し、中央アジアのエネルギー資源に大きな関心を示す中国。ロシアの覇権主義を警戒するアメリカ。そして大国のなかで、揺れ動く中央アジア諸国。台頭する中国と、衰退し、強権主義、覇権主義への回帰を強めるロシアの利益が重なり合い、一方、アメリカが中ロの動きを警戒するとすれば、中央アジアで新「グレート・ゲーム」が展開されることになる。邦訳文は英文からの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

国連改革、今こそ決断のとき

2005年6月号

コフィ・アナン/国連事務総長

現在の安保理の構成は1945年当時の世界を映し出してはいても、21世紀の世界を反映するものではない。財政、軍事、外交面で国連にもっとも貢献している国を内包できるように安保理を改革すべきだし、現在の国連加盟国をもっと広く代弁できるような組織にする必要がある。安保理改革なくして、国連改革が完遂することはあり得ない。

核拡散問題を検証する
――日韓は北朝鮮の核にどう反応するか

2005年6月号

スピーカー
ピーター・ヒューシー/米国防大学基金シニア・アソシエート
チャールズ・ファーガソン/米外交問題評議会フェロー
司会
カーラ・ロビンス/ウォールストリート・ジャーナル外交担当チーフ・コレスポンデント

アメリカが前方展開軍を維持し、核の傘を提供し続ける限り、日韓が核武装に踏み切ることはあり得ない。だが、米軍が朝鮮半島から撤退するとなれば、話は違ってくる。(P・ヒューシー)

北朝鮮が公然と核実験を行った場合、これに対して真っ先に核武装化に踏み切るのは、韓国ではなく、日本だろう。最初に倒れるドミノが日本、そして次がおそらく韓国になるだろう。(C・ファーガソン)

CFRミーティング
鳥インフルエンザの脅威にどう対処する

2005年6月号

スピーカー  アンソニー・フォーシ  米国立衛生研究所(NIH)・アレルギー・感染症研究所所長
 ローリー・ギャレット  米外交問題評議会シニア・フェロー
 マイケル・オスタホルム 感染症研究・政策センター(CIDRAP)所長
司会  ジェームズ・ホーグ   フォーリン・アフェアーズ誌編集長

1997年にH5N1ウイルス株が香港で確認されて以来、このウイルスは急速なペースで変異している。現在東南アジアにいるH5N1は香港で確認されたものとは違うタイプだし、人から人への感染力をもうすこしで持つところまで変異を重ねており、もはや細胞の再集合を必要としない段階まできているのかもしれない。われわれが危機感を抱いているのはこのためだ。(M・オスタホルム)。邦訳文はワシントンで6月中旬に開かれたCFRミーティングでの討論からの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。フォーリン・アフェアーズ日本語版では次号から、鳥インフルエンザ関連のフォーリン・アフェアーズ論文を紹介していく予定。

6者協議の破綻と北朝鮮問題の行方
――流れは6者協議から2国間協議へ

2005年6月号

ダニエル・A・ピンクストン カリフォルニア州モントレー国際研究所・不拡散研究センターの東アジア不拡散担当ディレクター

北朝鮮が核兵器を保有し、仮に核実験を行ったとしても、中国は北朝鮮の体制の安定を望むだろう。中国や韓国が北朝鮮に対する圧力を強化することに合意するとはまったく思えない。北朝鮮の体制の不安定化を望んでいない以上、強硬な圧力で追い込むのは中韓の利益ではないからだ。(D・ピンクストン)

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