ノーベル平和賞を受賞した ムハマド・ユヌスが語る市場経済と貧困撲滅
2007年3月号

「これまで『ビジネス』は非常に狭義に定義されてきた。金を儲けることがビジネスと考えられてきた。だが、この解釈は間違っている。 もちろん、金儲けは悪いことではないが、金儲けと関連づけなくても、ビジネスが人々に恩恵をもたらすことができる点に目を向けるべきだろう。 この意味でのビジネスの場合、『人々のためになることをしたくて、このビジネスを行っている』と言うこともできる。それはそれで立派な『ビジネス』だ。 人間は金儲けの機械ではなく、さらに大きな価値を持っている。金儲けも素晴らしいが、他にも素晴らしいものはある。ビジネスを通じて世界が直面する問題を解決し、 後世に足跡を残せるとすれば、それは素晴らしいことだ。私はこの手のビジネスを、『ソーシャルビジネス(社会派ビジネス)』と呼んでいる。 」