CFRインタビュー
ロシアは天然ガス版 OPECの形成を試みているのか
2007年4月号
石油や天然ガスを含む資源へのクレムリンのアプローチは一貫している。それは、「資源から最大限の利益を引き出すという重商主義路線」にほかならない。ロシアが天然ガス版のカルテルを短期的に組織することはあり得ないとしても、長期的に考えると天然ガス輸出のカルテルが形成される可能性は高い。状況をこう分析するエネルギー問題の専門家、フィリップ・バレジャーは、「中国への輸出インフラ、ヨーロッパへのさらなる輸出インフラを整備すれば、気に入らない国には供給を止めるなどの資源戦術をロシアはとれるようになる」と指摘する。ヨーロッパにとって、ロシアに代わる供給源はイランしかないが、これは政治的に魅力的な選択肢とはなり得ないとみる同氏は、ヨーロッパが政治的リスクを減らすには、(ロシア、イランの天然ガスを)トルコ経由のパイプライン供給に頼るしかないが、このやり方も、トルコの欧州連合(EU)加盟問題に絡んでくるので、不安定化のリスクを抱えることになると示唆した。聞き手は、バーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。