大戦略を模索する中国
2011年4月号
中国の指導者たちの歴史認識の特徴は、外国の脅威によって国内の争乱が作り出されること、より具体的には、内なる脅威と外からの脅威が一体化するのを常に警戒している点にある。この点での際だったケースが、1989年の天安門事件という内的混乱の余波が残るなか、欧米諸国が中国に対する制裁措置を発動したことだった。その後、10年にわたって中国が強硬な対外路線をとったのは、内なる脅威と外からの脅威が一体化するのを恐れたからだった。だが、中国の優先課題はあくまで国内にある。北京は今後も、経済・社会領域での発展と開発に努め、外交政策もこの枠組み内でとらえていくだろう。「国際的な課題に対応していくプロセスにおいて国内改革を犠牲にしてはならない」と肝に銘じているからだ。中国がより大きな国際的責任を引き受けるように期待されているのは当然だが、国際コミュニティは、中国の願い、不安、国内の要望を満たして近代化を試みていくことの難しさに配慮し、中国が自らを支えるのを助ける責任がある。
