パキスタンの政治から軍部を締め出すには
2011年6月号
数百発の核弾頭を保有し、インドとの火種を抱え込み、世界でもっとも危険なテロリストを国内に抱え込んでいるパキスタンを、将軍たちの好きにさせるのは余りに危険すぎる。パキスタン軍は、内外のあらゆる事態をインドとのライバル関係というレンズでとらえる習性を持っており、これがパキスタン軍の考えと行動を規定している。ザルダリ大統領率いるパキスタン人民党(PPP)、シャリフ率いるパキスタン・イスラム同盟(PML―N)のような文民政党は、概して、軍の陰で政治を行っているようなものだ。政治家を全く信用せず、「国が安定するか、カオスに陥るかを左右するのは自分たちだけだ」と自負している軍は、政治家がうまく統治を行っていないとみるや、政治に介入してきた。だが、そのためにパキスタンの文民制度が損なわれ、代議制が根付くのが阻まれ、国内に大きな亀裂が作り出された。文民による政府機関と軍事組織間のパワーの不均衡を是正しない限り、パキスタンの安定は実現しない。
