米大統領選挙と中国
――軍事・経済・人権問題
2012年10月
米国債の最大の引き受け手でもある中国とアメリカの複雑な政治・経済関係を、バラク・オバマもミット・ロムニーも11月の大統領選挙の大きな争点の一つに据えている。米中関係はグローバル・インバランスに象徴される米中関係の不均衡に加えて、中国による為替操作、不公正な貿易慣行によって、いまやアメリカ国内では感情的な政治問題と化している。一方で、中国が南シナ海や東シナ海の領有権問題をめぐって、攻撃的な外交路線に転じているという問題もある。オバマ政権は、これまで中国の貿易慣行上の問題については、WTO(世界貿易機関)に提訴する路線をとる一方で、中国の台頭に対するバランスを形成しようとアメリカのアジアにおける外交的、軍事的プレゼンスを強化する「アジアシフト」路線をとってきた。だが、ミット・ロムニー候補は、オバマ政権は中国に対して手ぬるすぎたと批判し、とくに人民元の切り上げや貿易問題をめぐってもっと強硬策をとるべきだと主張している。ロムニーは、就任後直ちに、中国の為替操作問題への対策をとると表明し、アジア・太平洋地域でのアメリカの軍事プレゼンスを強化していくと表明している。
