
グーグルにとって都合が良いことは、NSA(米国家安全保障局)にとっても都合が良く、NSAが、シリコンバレーが求める穏やかなプライバシー規制を利用して、好きなようにデータを収集・蓄積していたことはいまや明らかだ。ユーザーもいまやこの点を認識しており、今後、新たなテクノロジーによって収集できる個人情報の量と種類が増大していくにつれて、巨大IT企業をこれまでのようには信用しなくなるだろう。テクノロジー企業が、ユーザーの信頼を回復し、経済的成功を維持していくには、これまでのようにプライバシー保護をめぐって企業側の自主規制を重視する路線を見直す必要がある。自主規制は必要だが、それだけでは十分ではない。個人情報は、適切な管理を必要とする貴重なデータであり、IT企業は、不必要なデータ収集を制限すると同時に、そのビジネスモデルにプライバシーの保護と利害共有者としてのユーザー保護を統合していく必要がある。