Vol.34 フクシマ後の日本経済とエネルギーを考える
Japan's Economy and Energy after the Fukushima
掲載論文
3.11は日本の何を変え、何を変えなかったのか。高齢社会と社会保障の財源不足、債務、財政赤字という大きな問題はいまもそこに存在する。変化したのは、原発危機によってエネルギー供給の先行きが不透明化し、産業の空洞化が進み、観光産業の促進も専門職の外国人の招致も難しくなっていることだ。過去のやり方ではもはや未来は切り開けない。だからこそ、復興プロジェクトを新しい日本の将来に向けた土台を築くための触媒にしなければならない。電力不足を将来のクリーンエネルギー大国の布石にし、債務と赤字を削減するような経済成長路線へと向かわせるには、現状を的確に把握した上での大胆な戦略が必要になる。
- 第一章 震災後の日本経済
- 不透明感漂う日米欧経済――災害後の日本経済(2011年5月号)
- 9カ月後、日本経済は復活する――再建コストで債券市場がパニックに陥ることはない(2011年4月号)
- 復興を越えた日本経済の再設計を (2011年5月号)
- 恐怖型経済への回帰(1999年2月号)
- 高齢化が変える日本経済と外交(1997年6月号)
- 第二章 「原子力か再生可能エネルギーか」の二者択一は成立しない
- 日本の原発危機の教訓――世界は原子力から離脱すべきか、いなか
- フクシマ原発危機のグローバルな余波――原子力発電の安全性に高まる世界の不安(2011年5月号)
- エネルギーの未来――「ベースロードエネルギー」と再生可能エネルギーを組み合わせるしかない(2011年6月号)
- クリーンエネルギーの不都合な真実(2011年7月号)
- 第三章 石油、天然ガスの現状と未来
- 「天然ガス革命」の到来――天然ガス・グローバル市場の誕生は近い(2011年2月号)
- 第3の石油ショックか――中東の政治的混乱と原油価格高騰(2011年4月号)
- なぜ原油価格は高騰しているのか(2011年6月号)
- つなぎ燃料としてのLNGに注目せよ――金融危機後の世界のエネルギー市場を見通す(2010年4月号)
- 第四章 環境とエネルギー、そして核拡散リスク
- 世界エネルギー・アウトルック――ゲームチェンジャーとしての電気自動車と二酸化炭素回収・貯蔵技術(2011年1月号)
- 原子力エネルギーは地球温暖化対策の切り札になるか(2007年11月号)
- 核不拡散と原子力の平和利用を両立させる道はあるか (2010年3月号)