迫り来るパンデミック恐慌
―― 1930年代が再現されるのか
2020年9月号
20世紀の大恐慌以降のいかなる時期にもまして、いまやコロナウイルスが「世界のより多くの地域をリセッション(景気後退)に陥れている」。当然、力強い経済回復は期待できず、世界経済が2020年初頭の状況へ回帰するには、かなりの時間がかかるはずだ。それどころか、企業が倒産し、不良債権が肥大化していくために、いずれ世界の多くの地域で金融危機が発生する。途上国のデフォルト(債務不履行)も増えていく。この危機は前回のグローバル金融危機と比べても、世界経済活動の崩壊の規模と範囲が大きいために、さらに深刻な金融危機になる。しかも、かつては大きな流れを作り出したグローバル化潮流が停止すれば、世界経済が大変調を起こすのは避けられない。1930年代と似たムードが漂い始めている。