破壊された米外交
―― 戦後秩序の終わりと次期政権の選択
2020年10月号
今後の世界では紛争がより一般的になり、民主主義はさほど一般的な政治制度ではなくなっていく。友人を安心させ、敵を抑止する同盟関係の作用が弱まっていけば、核拡散が加速し、大国の勢力圏が拡大していく。貿易はより管理され、ゆっくりと成長する程度で、縮小していくかもしれない。ドルの影響力も低下するだろう。そして戦後75年間続いた世界秩序は確実に終わる。唯一の疑問は、何が旧秩序にとって代わるかだ。その多くは、アメリカが今後どのコースをとるかに左右される。トランプの外交ブランドがさらに4年続くようなら、第二次世界大戦後から2016年までアメリカが主導したモデルが規範からの逸脱とみなされ、孤立主義、保護主義、ナショナリズムの単独行動が本流とみなされることになる。