国家安全保障というブラックホール
―― あらゆるものが国家安全保障に
2024年10月号
さまざまなアジェンダを国家安全保障問題に加えようとする圧力は大きい。だが脅威リストを拡大するだけでは、予期せぬ事態に備えることはできない。米同時多発テロ、コロナ禍はその具体例だ。何が国家安全保障問題で、なにがそうでないかについて、もっと慎重な議論をしなければ、ワシントンは、そのリソースを広範な問題に薄く分散させてしまう恐れがある。2025年1月に大統領として宣誓する人物が誰であれ、国家安全保障の原則を考慮して、その定義を適正なサイズに戻すべきだ。そうしない限り、政策立案者は、すべてに手を出して、すべてに失敗するパターンに陥る恐れがある。