神の時代の終わり?
―― 世界における宗教の衰退
2020年9月号
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「生き延びられるかどうか」。人間の歴史において、これは長く不確実な命題だった。そのような時代に宗教は「世界は完全無欠の神(あるいは神々)の手に委ねられている」という安心感を与えてくれた。「宗教の教えに従えば万事うまくいく」と考えられてきた。しかし経済発展と技術的進歩の結果、人間は飢餓を逃れ、疾病に対処し、暴力を抑えられるようになった。高い出生率を維持する必要性と結びつけられてきた一連の宗教的考えが廃れてきた。生き延びられるだろうかという不安が低下し、寿命が延びると、女性を家庭に縛りつけ、同性愛者にアイデンティティを隠すことを強いた宗教的戒律を守ることに多くの人が消極的になった。もちろん、現在のパンデミックが何年も続いたり、新たな大恐慌が起きたりすれば、こうした文化的な変化も逆転し始めるかもしれない。だが、現在のトレンドが続けば、伝統的な宗教的権威が社会道徳に対して持つ影響力は、低下し続けることになる。