チベットという名の監獄
―― 第2の新疆ウイグルか
2021年6月号
2008年、ダライ・ラマの亡命50年の節目を前に、一連の大規模な抗議デモが起きた。このデモの背景には、北京がチベット文化を弱め、チベット仏教の力を弱めようとすることに対する怒りだけでなく、尊敬されているダライ・ラマが亡命先で死去して、北京がその後継者を指名してチベット仏教を乗っ取るのではないかという不安があった。チベットの緊張が近く再び山場を迎える恐れがある。85歳のダライ・ラマが命の終わりに近づいているかもしれないからだ。すでに北京は、中国共産党が次のダライ・ラマ指名プロセスを管理すると発表している。このような異例の措置をとれば、新たなチベット騒乱をもたらす導火線に間違いなく火をつけることになる。