中国のアフガニスタン・ジレンマ
―― 失われる安定と予測可能性
2021年11月号
「ポストアメリカの中央アジア」情勢は中国に恩恵よりもリスクをもたらすことになるだろう。国境の西側でアフガンという破綻国家に直面し、南西側ではインドとの緊張が高まっている。北東には北朝鮮という不安定で厄介なパートナーがいる。しかも、台湾海峡を含めて、アメリカとの競争はエスカレートしている。習近平は安定と予測可能性を模索しているが、アメリカのアフガン撤退後の地域情勢では、そのどちらも手に入れられなくなるだろう。実際、アメリカのアフガン撤退は、(台湾を含む)東部での競争のエスカレーションに集中すべきタイミングで、北京を身動きできなくする恐れがある。