プーチンは「ロシアを失う」のか
―― 幻想と恐怖の政治の終焉?
2022年4月号
2021年秋に反ウクライナキャンペーンを開始し、2月にウクライナに侵攻するまで、ロシア市民のプーチン支持率はゆっくりとだが着実に上昇し、11月に63%だった支持率は2月には71%へと、ここ数年のピークに達した。だが、ルーブルが暴落し、ロシアの国際的な孤立が深まるなかで、政府がこのまま幻想を主張し続けるのは難しくなる。プーチンはすでにウクライナを失っている。しかも、ロシアとロシア市民を彼と同じように孤立させてしまったこの戦争の結果、プーチンはロシアも失うのか、それともロシアを自分とともに自滅させるのだろうか。賃金や雇用、必需品や医薬品へのアクセスが失われるとともに、ロシア社会のムードは変化し、状況は一変していくかもしれない。