ロシアこそがユーラシア秩序再生の要
1998年5月号
現状の分散化・分裂化現象が続く限り、法や正義ではなく、再び利益や力のバランスによってユーラシア秩序を回復せざるを得なくなり、新たな、そして不吉な「歴史の始まり」が導かれるだろう。ユーラシアの分裂状況を放置すれば、中央アジアやコーカサスでの紛争が他の諸国を巻き込み、トルコ、イラン、中国、日本、そして欧米諸国の利益の錯綜や対立がこの大陸をカオスへと突き落としかねない。米国のユーラシアでの影響力には限界がある。秩序再生は、あくまでロシアによる過去と現在を踏まえた新理念の構築にかかっている。