米軍の日本駐留は本当に必要か
1998年8月号
「冷戦期の共通の脅威が消滅していくにつれて、日本人が国内における米軍の軍事プレゼンスに懐疑的になるとしても無理はない」。しかも、日本の防衛の多くをこれまで実質的に担ってきたのは、駐留米軍というよりも、日本の自衛隊である、と細川元首相は示唆する。米軍による核抑止力(核の傘)は依然必要だとしても、「冷戦後」という新時代の進展とともに「アメリカの日本での軍事プレゼンスを今世紀の末までにしだいになくしていくべき」だし、何よりも「同盟関係と基地の存在」をめぐる日米間のパーセプション・ギャップ(認識の隔たり)が大切な二国関係を損なう前に、「二十一世紀にふさわしい同盟関係のあり方を議論」すべきであり、その任にあたるのは「官僚や将軍たちではなく、(日米の)政治家」でなければならない、と。