制裁継続か、それとも和解か
――カダフィ大佐との単独インタビュー
1999年5月号
テロ事件に対する国連とアメリカの制裁措置は、リビアを相当に追い込んでいる。今後は、ベルリンのナイトクラブ爆破事件やパンナム機爆破事件の裁判がどのように進展するかにかかっている。リビア人たちは、「これら裁判の結末が自分たちにとっていかに痛みを伴うものであっても、これまでのように反抗的な態度をとり続け、制裁を受け続けるよりも、裁判の決着をつけ、問題を過去へ葬り去りたいと考えている」。カダフィ自身「この国を現在の窮状へと追い込んだ挑発的な政策をこれ以上リビアがとり続けるのを民衆が望んでいないこと」を理解している。裁判の結審によって本当に制裁が解除されるのだろうか。裁判では、被告のリビア人だけでなく、リビアという国家が裁かれるのか? テクノクラート的な社会と部族的社会に二分されているリビアで、カダフィは本当はどのような役割を担い、状況をどうとらえているのか?