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論文データベース(最新論文順)

グローバルな金融市場統合へ
―― 欧米証券取引所の大改革

2000年6月号

ポール・アールマン 欧州証券取引所連合理事長 ブランドン・ベッカー ウィルマー・カトラー・アンド・ピカリングパートナー、米国証券取引委員会(SEC)市場規制局前局長

証券取引所における電子化と証券取引所の株式会社化という大潮流のなかで、欧米では証券取引所の大統合が起こっている。証券取引所という分野にもっとも鋭い見識を持つアールマン氏とベッカー氏の対談を通し、ヨーロッパとアメリカ双方の立場から、グローバルな金融市場の統合に向けた、法的規制の現状と課題、投資家保護の仕組みなどを明らかにする。

「グローバル経済に挑む国際労働運動」への反論

2000年6月号

ジャグディシュ・バグワティ コロンビア大学教授 トマス・ドナヒュー  前米労働総同盟産業別会議会長

ジェイ・マズアー米労働総同盟産業別会議会長は「グローバル経済に挑む国際労働運動」で、グローバリゼーションは一握りの人々に繁栄をもたらす一方で、多くの労働者を追い込んでおり、状況を是正するには労働者の権利を国際的な貿易合意に明文化するとともに、労働組合が国際的に連帯する必要があると呼び掛けた。だが、彼の言う「労働者」とは一体だれなのか、貿易合意への権利の明記は先進国による保護主義につながらないか、「国際労働運動」の本質は何か……グローバリゼーションをめぐる論争はさらに続く。

コンピューター戦争に備えるアメリカ

2000年6月号

ブルース・D・バーコウィッツ  ランド・コーポレーション上級コンサルタント

アメリカの防衛専門家は、敵が自分たちのコンピューター・ネットワークを攻撃する可能性を憂慮する一方で、敵のコンピューター・ネットワークに対する攻撃を検討している。敵の電子機器を麻痺させるために、軍はレーザーやマイクロ波を利用しているが、将来的には、エネルギー波を組み合わせることで、離れた場所から敵のコンピューター・ネットワークに直接データを送り込めるようになるだろう。特定の作戦行動に影響が出るような詳細まで明らかにしなくとも、コンピューター戦争に関する政策の大枠を公に議論することはできる。

遺伝子組み換え作物で途上諸国を救うには

2000年6月号

ロバート・パールバーグ
ウェルズリー大学政治学部教授

遺伝子組み換え食糧をめぐる地球規模の闘いの主要な対立構図は「アメリカ企業」対「ヨーロッパの消費者と環境保護団体」で、この技術から最も恩恵を引きだせる貧しい諸国の農民や消費者の利害が考慮されていない。遺伝子組み換え作物に大規模な投資をすることで、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの何億という人々を貧困と栄養失調から救う新しい道を開拓できるのに、それを実現させるための行動はまだほとんどとられていない。世界銀行の調査団は、遺伝子組み換えテクノロジーを利用すれば今後一〇年以内にアジアにおける米の生産が一〇~二五%増加する、と予測している。

外交問題評議会ラウンドテーブル・リポート
米日中とアジア安全保障の将来 (前半)

2000年6月号

ニール・E・シルバー
前外交問題評議会客員研究員

現役の米国務省高官ニール・シルバーが、客員研究員としてニューヨークの外交問題評議会に滞在した(1998年-1999年)に書き下ろした東アジア安全保障の将来への提言。冷戦の終結、中国の台頭、日本経済の凋落という昨今のトレンドが、日米中安全保障にどのような影響を与えるかについて、シルバーは戦略的観点からだけでなく、世論、相互イメージ、非政府組織の活動など多角的な要素を織り込みつつ論じている。九八年から九九年に実施された評議会のラウンドテーブル・ミーティングでの議論を踏まえた、東アジア安全保障の包括的な検証。(後編はフォーリン・アフェアーズ日本語版7月号に掲載)

分散化するロシアとどう向き合うか

2000年5月号

サム・ナン 前米上院軍事委員会委員長 アダム・N・スタルバーグ ジョージア工科大学助教授

国の利益と地方の利益のバランスを図り、対外コミットメントを果たすロシアの能力は、その土台からしだいに崩れつつある。ロシアにおける政治的・経済的不安定によって生じた真空状態を地方の指導者が埋めていくにつれて、彼らはロシアの外交・安全保障政策面で大きな影響力を行使するようになるだろう。モスクワの権威を温存しつつ、中央、地方、民間組織と実業界を長期的に結びつけるようなアプローチをわれわれがとることができれば、ロシアとの協調的安全保障は確実なものとなる。

グローバリズムと多国間開発政策の新枠組み

2000年5月号

ローレンス・H・サマーズ 米財務長官

貧困の削減を考えるうえで経済成長を重視しないのは、それこそ主人公のいない劇のようなものだ。援助がうまく使われると確信できる国に融資を提供し、誤用される危険、とくに汚職がらみで悪用される国への融資は行わない、という方針を強めていく必要がある。下へ下へと向かう競争に世界がのみ込まれていくのを回避するために、底辺にいる人々が立ち上がれるように本腰で取り組む必要がある。

チェチェン紛争が問いかけるもの

2000年5月号

ラジャン・メノ リーハイ大学国際関係学部教授
グラハム・E・フラー 前国家情報評議会副議長

モスクワは、チェチェンの混迷は急進派イスラムと外国の教条主義者などの忌まわしい外部勢力の仕業だと主張するばかりで、ロシアが「反目しあうナショナリズム」という根深い問題を抱えていることに目を向けようとしない。優れた統治が行われ、魅力的な国家プロジェクトが示されない限り、ロシア連邦内の民族集団が分離独立という選択肢を考え直すとは思えない。イスラムのイデオロギーが、カフカスにおける非イスラム系集団の支配体制に対抗する重要なアイデンティティーとされ、抵抗運動をまとめる統合原理となりつつある。

覇権か孤立主義か 強すぎる米国の行方

2000年5月号

サミュエル・R・バーガー アメリカ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)

孤立主義的と覇権主義、アメリカのリーダーシップが今までになく必要とされるなかで、アメリカはどこに身を置くべきなのか。アメリカは「すべてに対応することも、世界中で行動を起こすこともできないが、なにもしないでよいことは断じてありえない」。穏やかな関与(エンゲージメント)政策こそ、政治的、経済的にアメリカにとって、そして世界にとっての利益なのだ。

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