情報革命と軍事、経済の行方
2000年12月号
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2000年12月号
2000年12月号
グローバル経済の繁栄は、国境を越えた貿易の自由な流れを維持できるかどうかにかかっているが、グローバル経済を支える第3の支柱が安全で迅速な輸送・入管体制であること、そして貿易の自由な流れが一方でテロリズムや麻薬密輸などの新たな脅威を作り出していることにはあまり関心が払われていない。このジレンマを解決できるのは官民協調、国際協調型の入管・通関システムの構築を通じてのみである。
2000年12月号
日本政府が手がけている構造改革の促進は、アメリカの国益や目的に合致しているという見地から、日本側による構造改革路線の維持とアメリカによる改革支持を前提にした今後の対日経済政策への具体的提言。対日経済政策については、投資環境の改善と金融改革部門の改革、独禁法規制の重視を求め、テレコミュニケーション、電子商取引、知的所有権など、ニューエコノミー部門での課題を討議する日米の財界ダイアログの導入を提言。その枠組みとして、従来の二国間交渉ではなく、WTO(世界貿易機構)、OECD(経済開発協力機構)、G8(主要八カ国蔵相・中央銀行総裁会議)、APEC(アジア太平洋経済協力会議)などの多国間枠組みをつうじた経済交渉を行うべきだと指摘している。
2000年11月号
以下は二○○○年五月一日、ニューヨークの外交問題評議会で開かれた対中貿易をめぐるミーティング・プログラムの議事録。
2000年11月号
政策の明快さなくして世論の支持を得るのは困難であり、また明快さを持たせるには、行動が必要とされる個々のケースをうまく説明する適切な政策概念が必要である。特殊利益政治や「CNN効果」などのために、今や目の前にある派手な問題ばかりが強調され、抜本的な重要性を持つ課題への対応が犠牲にされている。次期大統領は、長期的に重要な課題が短期的課題によって犠牲にされないように、議会と世論を相手に「明快さと一貫性」を備えた真のリーダーシップを発揮しなければならない。
2000年11月号
――以下は、二〇〇〇年九月二十日にワシントンで行われたミーティング・プログラムにおけるレオン・ファース国家安全保障問題担当副大統領補佐官のスピーチ「外交政策への関与:ゴア副大統領とアメリカの外交政策」の議事録である。司会はリー・カラム(外交問題評議会役員・コラムニスト)。
2000年11月号
米軍の二十一世紀における課題は、米本土防衛、台頭する中国、「世界的警察活動」という諸問題にいかに対応するかである。最大の課題は、冷戦型の戦略や兵器調達慣行を脱し、水面下で進行している士気の低下に対抗するために、軍構造の改編、軍教育機関の充実など、新たな課題への新戦略を構築する知的・組織的基盤を再編することにある。アジアにおける「通常戦力の支配的な優位」を手にするには、中国の台湾侵攻というシナリオにも対応できる、主に空と海での広域展開能力を持つ戦力が必要であり、ヨーロッパやペルシャ湾など慣れ親しんだ地域での戦闘よりも、むしろ、太平洋における広域をカバーでき、複雑な基地確保の問題をクリアできるような戦力へと再編する必要がある。
2000年11月号
アメリカの圧倒的なパワー自体には何も問題はないが、相手に何かを強制する「パワー」と、他を導く能力である「権威」とのバランスをうまくとらなければ、世界の反発を買う危険がある。われわれが友人の怒りを買うような方法でパワーを行使し、自らのコミットメントを尊重せず、他を支えることに積極的でなければ、「権威」は失墜し、そのような環境ではパワーもそれほど大きな力とはなり得ない。パワーを強化しつつその権威を高めるような形で、よりよい世界に向けてリーダーシップを発揮することこそ新大統領の課題である。
2000年10月号