遺伝子組み換え作物で途上諸国を救うには
2000年6月号
遺伝子組み換え食糧をめぐる地球規模の闘いの主要な対立構図は「アメリカ企業」対「ヨーロッパの消費者と環境保護団体」で、この技術から最も恩恵を引きだせる貧しい諸国の農民や消費者の利害が考慮されていない。遺伝子組み換え作物に大規模な投資をすることで、アジア、アフリカ、ラテンアメリカの何億という人々を貧困と栄養失調から救う新しい道を開拓できるのに、それを実現させるための行動はまだほとんどとられていない。世界銀行の調査団は、遺伝子組み換えテクノロジーを利用すれば今後一〇年以内にアジアにおける米の生産が一〇~二五%増加する、と予測している。