1994年以降に発表された邦訳論文を検索できます。

論文データベース(最新論文順)

「保護」から「帰還」への道筋を

2001年12月号

ルドルフス・ルベルス 国連難民高等弁務官

最大規模の難民が出ているのがアフガニスタンだ。以下は十月中旬にニューヨークの米外交問題評議会で開かれたルドルフス・ルベルス国連難民高等弁務官の演説・質疑応答の要約。

アメリカはなぜ憎まれる

2001年12月号

ケニース・M・ポラック  米外交問題評議会国家安全保障担当シニア・フェロー

米国でもテロの背景にある反米主義のルーツを探る動きが進んでいる。以下は、米外交問題評議会がテロ事件後に組織した「テロリズムに関するタスクフォース」での研究会報告の抜粋。タスクフォースには、シャリカシュビリ元統合参謀本部議長、ブラウン前国防長官、ルービン前財務長官、アジャミー・ジョンズ・ホプキンス大学教授、ナイ・ハーバード大学教授、ウェブスター元CIAおよびFBI長官、ウィールジー元CIA長官、ジョージ・ソロスらが参加している。

中国のWTO加盟と米中関係の行方

2001年12月号

タスクフォース議長 ロバート・D・ホーマッツ ゴールドマン・サックス&カンパニー副会長、 プロジェクト・ディレクター エリザベス・エコノミー 米外交問題評議会中国研究プログラムシニア・フェロー 、ケビン・ニーラー 国際政策フォーラム上級研究員

以下は、二〇〇一年十月に発表された米外交問題評議会のタスクフォース・リポートからの抜粋。

対テロ米ロ同盟とロシアの民主主義

2001年11月号

ティモシー・J・コルトン ハーバード大学政治学教授  マイケル・マクファール  スタンフォード大学政治学準教授

ブッシュ政権はテロという新たな世界規模の脅威に対する国際連帯を形成しようとするあまり、民主国家という連帯の相手に求められる資格を無視した動きに出るかもしれない。強権政治への逆コースをたどりつつあるロシア政府も、この対テロリズム連合に協力を表明した以上、アメリカに統治面でとやかく言われることもなくなるだろう。だが、対ロシア民主化支援を強化しないかぎり、アメリカの安全保障に将来大きな悪影響が出る。かつての宿敵の国境内に民主主義を根づかせるための努力をいまこそ再強化すべきである。

次なる攻撃に備えよ

2001年11月号

ウィリアム・J・ペリー  元米国防長官

アメリカに対する憎しみ、組織的な作戦を実行できるだけの資源、自らの命をも顧みないほどの狂信主義をテロリストが兼ね備えていれば、その帰結がいかに甚大なものになるかを、世界は目の当たりにした。そしていまやもっとも差し迫った脅威は、テロ集団が、トラック、貨物船、飛行機、小型船で核兵器や生物兵器攻撃をかけてくることである。脅威が出現する前に、それを抑え込む拡散防止などの「予防」戦略、相手に攻撃を思いとどまらせる「抑止」戦略、そして、予防と抑止が破られた場合に備えた「防衛」戦略という3つをバランスよく実施する必要があり、アメリカは米本土ミサイ防衛ばかりを重視したこれまでの防衛姿勢を大きく見直す必要がある。

中東世界でのアメリカの孤独

2001年11月号

フォアド・アジャミー/ジョンズ・ホプキンス大学教授

ビンラディンは、アメリカとイスラム世界の間にある縫い目に沿って、自分たちのための狭い空間、攻撃目標、そして支援基盤を見いだした。彼らは、イスラムの地が悲惨な状況にあるのはアメリカのせいで、祖国とアメリカの同盟関係を揺るがすことにさえ成功すれば、サウジアラビアやエジプトの政権を倒せると思い込んでいる。対テロ戦争を進めていくにつれて、アメリカは中東における孤立を思い知ることになろう。アラブ世界の支配者たちは、中東の見張り番をする外側の国と同盟関係を結べば、「共謀者」あるいは信仰上の裏切り者とみなす人々によって報復の対象とされることを理解している。今回の戦争は、アラブ・イスラム世界にアメリカがかかわり続ける限り、簡単な戦争とはなり得ない。

テロリズムと米本土防衛

2001年11月号

リー・ハミルトン 元米下院議員、民主党、現ウッドロー・ウィルソンセンター所長  ゲリー・ハート 元米上院議員、民主党 ウォーレン・ラドマン 元米上院議員、共和党 ニュート・ギングリッジ 元米下院議長、共和党

同時多発テロから三日後の九月十四日にワシントンで開かれた米外交問題評議会ミーティング・プログラムの議事録からの抜粋。討論に参加したのは、一九九八年に組織された「二十一世紀国家安全保障委員会」の主要メンバー。二〇〇一年一月三十一日に公表された同委員会の最終リポートは米本土へのテロの脅威を今後の安全保障上の最優先課題として位置づけていた。(訳注)

テロの経済への影響はどうなる

2001年11月号

ゲイル・フォスラー コンファレンス・ボード上席副社長  ヘンリー・コーフマン ヘンリー・コーフマン&カンパニー社長  ポール・ボルカー 前連邦準備制度理事会議長

二〇〇一年十月二日、ニューヨークの米外交問題評議会で開かれたミーティングプログラム議事録からの抜粋。

湾岸戦争とアラブの混沌
――米軍のアラビア半島駐留の意味あい

2001年11月号

フォアド・アジャミー  ジョンズ・ホプキンス大学教授

サウジアラビア人は、サダム・フセインの軍隊が自国に侵攻してくれば、どのような事態に陥るかを明確に理解していた。イラクは三日もあれば首都リヤドに到達していたかもしれないし、サウジアラビアでの社会契約のすべては履行不能になっていただろう。石油が埋蔵されている東部地方を切り離すことも、サウド家がイブン・サウドから受け継いだ地域を制圧できたかもしれない。このような災難に比べたら、外国軍の駐留が引き起こす政治・文化的摩擦などは取るに足らない問題だった。
湾岸での旧秩序はその幕を閉じた。現在「新しい政治秩序」が話題にのぼっているが、それがどのようなものになるかは誰にもわからない。しかし、大国(アメリカ)が湾岸の見張り番役を務めることになるのは間違いない。

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