パレスチナの混迷と内部対立
―和平プロセス再開の条件を探る―
2002年3月号
和平プロセスが破綻し、民衆が自治政府の統治能力をほぼ見限ったために、自治政府の正統性は大きく損なわれ、民族主義運動の新世代派が大きく台頭しつつある。アラファト議長は、この新世代派を懐柔しようと、彼らがイスラム主義勢力と共同歩調をとることだけでなく、イスラエル軍との過激な対立路線をとることも容認した。西岸とガザ地区からイスラエル軍を撤退させ、PLO主流派の力を弱め、主流派に取って代わることを夢見るこの新世代派の台頭こそ、第2次インティファーダの本当の理由なのだ。