東南アジア
――対テロ軍事支援の限界と弊害
2002年7月号
アメリカが対テロ戦争の一環として東南アジアを「軍事的に支援」するのは間違っている。人権侵害を起こすことで悪名高い東南アジア諸国の軍隊は、多くの場合、政治エリートの一部やテロ組織を含む犯罪組織と手を結んで、むしろテロを助長する社会環境を育んでいるからだ。軍隊を支援しても、民主体制をさらに弱め、イスラム過激派の魅力を高めてしまうだけだ。ワシントンは軍事援助や各国の法執行当局との連帯だけでなく、東南アジアが直面する社会問題への「文民統制型」の対応策を支援する必要がある。