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論文データベース(最新論文順)

米外交問題評議会リポート
ーーイラクの戦後構想の指針

2003年2月号

共同議長:エドワード・ジェレジャン ライス大学ジェームズ・ベーカー公共政策研究所・所長、フランク・ウィズナー AIGグループ副会長
共同ディレクター:レイチェル・ブロンソン 米外交問題評議会シニア・フェロー、アンドリュー・S・ウェイス 米外交問題評議会フェロー

アメリカその他の諸国は、イラクとの戦争に踏み切るかどうかをめぐる運命的な決断を迫られつつある。このリポートは、戦争に踏み切るべきかどうかについてのわれわれの判断を下すものではない。だが、アメリカ政府が、米本土に対する報復テロ攻撃の危険に備え、戦後イラクにおいて、アメリカとイラクを始めとする各国が何をなすかについて現実的な計画をとりまとめずして、戦端を開くことはあり得ない。米本土の安全保障について、米外交問題評議会はすでに、ゲリー・ハート、ウォーレン・ロドマンを共同議長に迎え「アメリカの備えはいまだ十分ではなく、危機にさらされている」というタイトルのリポートをまとめている。米外交問題評議会とライス大学ジェームズ・ベーカー公共政策研究所がまとめた今回のリポートは、二番目の懸念であるイラクの戦後構想をテーマとする。この研究が、より包括的な戦後構想の見取り図となることを期待する。
レスリー・ゲルブ(米外交問題評議会会長)

北朝鮮政策に関する提言
――強硬策ではなく、封じ込めと限定的関与策を

2003年2月号

ジェームズ・レーニー 、モートン・アブラモウィッツ 米外交問題評議会・朝鮮半島問題タスクフォース共同議長

アメリカとその同盟諸国の反対だけでなく、中国の反対をも押し切って、北朝鮮が使用済み核燃料の再処理を進めれば、そのときは本当の危機が起こるかもしれない。こうした事態が現実とならないように、われわれは限定的エンゲージメント政策への将来的移行を踏まえた、多国間協調型の封じ込め政策をとるべきである。そのためにも、北朝鮮に誘因を与えることが適切と判断される場合には、その可能性を模索できるだけの政策上の柔軟性を残しておく必要がある。

サダムが大量破壊兵器で反撃に出れば

2003年2月号

リチャード・K・ベッツ コロンビア大学戦争・平和研究所所長

アメリカは、蛇が攻撃してくるかもしれないと恐れるあまり、蛇をつつこうとしている。だが、つつかれた蛇がすぐさま反撃してくる危険をほとんど無視している。抑止や封じ込めを継続することの危険を大げさに言い立てる予防戦争論者は、戦争によって対米報復攻撃という惨劇が起きる危険を軽くみている。
報復攻撃の脅威に備えるとともに、報復攻撃を誘発するような戦争を始めること自体を再検討すべきだ。予防戦争が「死を恐れるあまりの自殺」になりかねないことを認識し、封じ込めの強化を始めとする、イラク侵攻策に代わる策を検討すべきである。

CFR北朝鮮問題アップデート

2003年2月号

米外交問題評議会

米外交問題評議会(CFR)は、北朝鮮問題を理解するための基礎知識、最新情報を「アメリカと北朝鮮」「北朝鮮の現状」「周辺国の対応」「北朝鮮とイラク」などに分類し、Q&Aとしてほぼ連日ウエブ上(www.cfr.org)でアップデートしている。以下は、北朝鮮関連のCFRウエブ・リソースからの要約・抜粋。

米外交問題評議会リポート
世界的反米感情の高まりとイラク侵攻策

2003年2月号

スピーカー
マドレーン・K・オルブライト クリントン政権国務長官
ブレント・スコークロフト ジョージ・H・W・ブッシュ政権 国家安全保障問題担当大統領補佐官
ティモシー・ガートン・アッシュ オックスフォード大学 シニア・リサーチフェロー
報告者
アンドリュー・コート ピュー世論調査センター(PRCPP)ディレクター

以下は二〇〇二年十二月に米外交問題評議会で行われたミーティング・プログラム議事録の要約・抜粋。議論は、ピュー世論調査センター(PRCPP)が二〇〇二年に世界四十四カ国の三万八千人を対象に実施した、世界におけるアメリカのイメージに関する世論調査結果を踏まえて行われている。世論調査の結果はhttp://people―press.org/から、討議の全議事録はwww.cfr.orgからアクセスできる(ともに英文)。聞き手は、ジョー・クライン(ニューヨーカー誌記者)。

サダムが大量破壊兵器で反撃に出れば

2003年2月号

リチャード・K・ベッツ コロンビア大学戦争・平和研究所所長

アメリカは、蛇が攻撃してくるかもしれないと恐れるあまり、蛇をつつこうとしている。だが、つつかれた蛇がすぐさま反撃してくる危険をほとんど無視している。抑止や封じ込めを継続することの危険を大げさに言い立てる予防戦争論者は、戦争によって対米報復攻撃という惨劇が起きる危険を軽くみている。報復攻撃の脅威に備えるとともに、報復攻撃を誘発するような戦争を始めること自体を再検討すべきだ。予防戦争が「死を恐れるあまりの自殺」になりかねないことを認識し、封じ込めの強化を始めとする、イラク侵攻策に代わる策を検討すべきである。

米外交問題評議会インタビュー
イラクと北朝鮮への対応はなぜ違うのか

2003年2月号

マイケル・マンデルバーム 米外交問題評議会シニア・フェロー、ジョンズ・ホプキンス大教授

以下は、マイケル・マンデルバーム(米外交問題評議会シニア・フェロー、ジョンズ・ホプキンス大教授)の対イラク・北朝鮮戦略についてのインタビューからの抜粋・要約で、一部順序を入れ替えてある。(聞き手は、www.cfr.orgのコンサルティング・エディター、バーナード・ガーズマン)

北朝鮮とイラクに対してブッシュ政権が異なる政策をとっているのは、両国が異なる環境にあり、これまでの対外行動の歴史も違うからだと私は判断している。もちろん、こうした外交路線の使い分けが、政治的に支持されるかどうかはわからない。イラクとの戦争をするのなら、なぜ北朝鮮を放置しておくのかと言い出すアメリカ人がいずれ数多く出てくることになるだろう。

イラクとアラブ世界の将来

2003年1月号

フォアド・アジャミー ジョンズ・ホプキンス大学教授

アラブの指導者たちは、心のなかでは「砂漠の嵐」を超える「完全な嵐」の到来を待ち望んでいる。短期間で決着がつき、サダム・フセイン追放の機会がつくり出されるような戦争を望んでいる。だが、これを「正義の戦争」と納得するアラブの民衆はほとんどいないだろうし、戦後には厄介な現実が待ち受けていることをアメリカは心しておくべきだ。
アラブ世界は、アメリカの罪をあげつらうことも、改革派を「外国勢力の手先」と切り捨てることもできる。それだけに、戦争をいかに戦うか、大いなる慎重さをもって臨まなければならない。

日本経済改革の政治的ジレンマ
―失われた十年から改革の十年

2003年1月号

リチャード・カッツ オリエンタル・エコノミスト・リポート誌シニアエディター

経済改革の真価は、改革措置が、経済成長の妨げとなっている供給面での非効率と需要の低迷という問題の解決に寄与するかどうかで判断すべきだ。だが人々が目にしているのは、もっとも再編が必要でない産業での再編、もっとも切実に改革が必要とされている領域での形ばかりの改革にすぎない。
だが日本人もついに「改革を断行しない限り、状況が改善されないこと」を確信し始めた。制度改革以外の選択肢のすべてを試み、それらが機能しないことがもはや明白になってきたからだ。失われた十年は改革が必要なことを納得するためのもので、次の十年は、実際に改革を実施するための時間となろう。

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