移民の排除ではなく、創造的な受け入れを
2003年4月号
先進国の市民社会は、自国にやってくる移民を政府が締め出すことをもはや許さなくなっている。一方、途上諸国は、1960年代の「頭脳流出」現象を思わせる大量の移民流出という事態に頭を悩ませている。
途上国は、外へ出ていく移民に二重国籍を認めて、国内市民と外国で暮らす元市民を、母国を中心とする拡大的共同体の中に組み込むような「ディアスポラ・アプローチ」をとるべきだろう。一方、先進国は、移民の締め出し策ではなく、「どのような形で移民を受け入れるのか」について創造的な政策をとる必要がある。そのためにも、国際レベルでの移民の流れを監視し、移民政策の国際的制度化を目的とする国際機関を創設すべきである。