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論文データベース(最新論文順)

イラン革命体制の終焉は近い

2003年4月号

ジャハンガー・アムゼガー 国際経済コンサルタント、元イラン財務相

イランは、数カ月以内に大規模な憲政の危機、あるいはより深刻な事態に陥るかもしれない。イデオロギーの破綻と経済運営の失敗によって、イスラム神権政治は正統性をめぐる最大の危機に直面させられている。人々はより大きな自由と法の支配を求めており、市民とメディアはそうした社会におけるイスラムの役割を疑問視している。宗教的指導者たちの覇権が脅かされるなか、イスラム国家崩壊への道がすでにくっきりと見えてきている。

米欧対立とメディアの攻防

2003年4月号

リチャード・ランバート 元フィナンシャル・タイムズ紙編集委員

もはやワシントンは、ヨーロッパとの関係を維持していくことが重要だとは感じておらず、ブッシュ政権が大西洋両岸の橋を構築するために大きな努力を行うと考えるのは非現実的だろう。
だからこそ、ヨーロッパ人は自らの考えを示すために、決然と、一貫性のある努力をすべきであるし、史上初めて、そうできる立場を手にしている。20年前は国家の寄せ集めにすぎなかった「ヨーロッパ」も、いまでは大きな実績を持つ世界経済の原動力となっているのだから。

ヨーロッパの独自防衛は実現するか

2003年3月号

フィリップ・H・ゴードン ブルッキングス研究所シニア・フェロー

ヨーロッパ諸国はコソボ紛争の顛末から、自分たちが軍事的にいかにアメリカに依存しているかを思い知り、大きな変革なしには状況を変化させられないことを認識した。
EUによる自立的防衛力を整備すれば、アメリカはヨーロッパにおける重荷を軽減できるし、ヨーロッパはより高い能力を持つパートナーになれる。
しかし今回の構想が、ヨーロッパの軍事力の不備を補うような軍事能力の向上ではなく、たんなる官僚制の強化につながり、NATOとの関係を複雑にしてしまうだけなら、ヨーロッパが全般的にいい方向に向かうとは思えない。

米外交問題評議会インタビュー
米韓対立というもう一つの朝鮮半島危機

2003年3月号

ウィンストン・ロード 前米外交問題評議会会長

以下は、ウィンストン・ロード前米外交問題評議会会長へのインタビュー(二〇〇三年二月十三日)からの抜粋・要約。全文はwww.cfr.orgからアクセスできる。(聞き手はバーナード・ガーズマン、www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)

CFRイラク問題アップデート

2003年3月号

米外交問題評議会

米外交問題評議会(CFR)は、イラク問題を理解するための基礎知識、最新情報をイラクとアメリカ、イラクの現実、テロ組織との関係などに分類し、Q&Aとしてほぼ連日ウェブ上(www.cfr.org)でアップデートしている。イラクとの戦争で世界への石油供給はどのようになるか。戦後イラクは国家的統合を保てるか。以下はイラク関連のCFRウエブ・リソースからの要約・抜粋。

米外交問題評議会インタビュー
米仏対立とアラブの不安

2003年3月号

レイチェル・ブロンソン ブロンソン米外交問題評議会シニア・フェロー

以下は、湾岸地域での調査から帰米したレイチェル・ブロンソン米外交問題評議会シニア・フェローへのインタビュー。全文はwww.cfr.orgからアクセスできる。(聞き手はバーナード・ガーズマン、www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)

米外交問題評議会リポート
イラク侵攻策と米保守派リアリストの分裂
――いまこの段階で路線変更ができるのか

2003年3月号

スティーブン・ウォルト ハーバード大学政治学教授
ジョン・ミアシャイマー シカゴ大学政治学教授
マックス・ブート 米外交問題評議会中東担当 シニア・フェロー
ウィリアム・クリストル ウイークリー・スタンダード誌編集長

以下は二〇〇三年二月五日に、ニューヨークの米外交問題評議会で開かれたイラク侵攻問題に関するディベートからの抜粋・要約。司会はレスリー・ゲルブ米外交問題評議会会長。

イラクとの戦争に踏み切れば、暴れ者としてのアメリカのイメージはますます強くなり、他の世界からの協調を得られなくなる。われわれが戦争を開始する日、オサマ・ビンラディンはほほえんでいるに違いない。(スティーブン・ウォルト)

サダムの試みを放置すれば、これから三年後には五カ国で国連の核査察が行われ、八年後には十五カ国で査察が行われているような事態に直面する。(ウィリアム・クリストル)

パレスチナ、イラクとアメリカの戦略

2003年3月号

マイケル・スコット・ドーラン プリンストン大学助教授

アラブ政治における「パレスチナ」というスローガンは、抑圧、失業など、アラブ世界の不満、西洋の文化的覇権に対する抵抗を表明するツールにすぎない。
アメリカが、現在の中東秩序を維持していくつもりなら、「パレスチナ」に惑わされずに、サダムやアルカイダという敵を倒し、その後、不満の元凶である中東の社会経済問題を解決するための持続的な作戦を実施すべきだ。今後の中東秩序は、中東の民衆が、アメリカや欧米世界のことを「よりよい生活を実現するためのパートナー」とみなすかどうかに左右される。

米欧対立を埋めるには
――覇権下の反米主義とリーダーシップ

2003年3月号

フィリップ・H・ゴードン ブルッキングス研究所シニア・フェロー

アメリカが積極的にリーダーシップを発揮しなければ、国際社会に行動を起こさせることはできない。だが、あまりに勇猛すぎると、それは傲慢な単独行動主義と化す。他の諸国は反発を強め、アメリカに続こうとはしなくなる。
米欧間の構造的・文化的なギャップが、アメリカの単独行動主義によってさらに広がりをみせている。一方で、アメリカは短絡的すぎると批判するだけで、真っ当な代替策を示さないヨーロッパも、大いに問題がある。アメリカもヨーロッパも、自分だけでどうにかできる時代ではないことを認識しなければならない。

朝鮮半島危機を安定させるには
――枠組み合意から包括合意へ

2003年3月号

ジェームズ・T・レーニー 米外交問題評議会・朝鮮半島問題タスクフォース共同議長
ジェーソン・T・シャプレン 前朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)政策顧問

平壌は核開発計画を放棄するには、まずアメリカが不可侵条約に調印すべきだといい、一方のブッシュ政権は、北朝鮮に侵攻する意図はないと表明しつつも、交渉を再開する前に、まず北朝鮮が核開発計画を断念すべきだと主張している。
ポイントは、「北朝鮮の悪事に報いることのないように配慮しつつ、平壌が切望する安全保障上の確約をいかに与えるか」だ。このジレンマを解くには、米日中ロが、朝鮮半島全体の安全と安定を共同で公式に保障すればよい。そのうえで核開発計画を放棄させ、北朝鮮の経済改革、そして、最終的には朝鮮連邦の形成を踏まえた包括合意の形成をめざすべきだ。

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