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論文データベース(最新論文順)

外交における道徳的要因の増大
―道徳主義が主権を侵食する?

2003年6月号

レスリー・H・ゲルブ 米外交問題評議会会長
ジャスティン・A・ローゼンタール 同評議会役員室室長

道徳、価値、倫理、普遍的原則といった、かつては理想主義者や学者だけが唱えた一連の壮大な理念が、いまや外交の中枢に位置づけられつつある。特定国の政府や集団が、国内の民衆を殺戮しているような場合には、「道徳的価値が主権の制約を取り払い」、人道的介入が正統化される、とみなされだしている。
道徳的理念が国益を前にするとあっさりと無視された時代は過ぎ去り、理念と国益が競合するような時代へとわれわれは足を踏み入れている。

米外交問題評議会リポート
アメリカは中東和平を調停すべきか

2003年6月号

スピーカー マーチン・インディク  元駐イスラエル米大使
ダニエル・パイプス 中東フォーラム・ディレクター
司会 チャーリー・ローズ

論文は、五月二日にニューヨークの米外交問題評議会で開かれたミーティングの議事録からの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

米外交問題評議会ディベート
誰が世界と国連を引き裂いているのか
―戦後イラクと米欧対立の深層

2003年6月号

マイケル・ドーラン  米外交問題評議会 中東担当準シニア・フェロー
ギデオン・ローズ フォーリン・アフェアーズ誌副編集長

戦後イラクにおいて、国連の大量破壊兵器(WMD)査察チームは任務を再開すべきなのか。支持と反対の論拠は何か。国連査察の再開の是非をめぐるマイケル・ドーラン(米外交問題評議会中東担当準シニア・フェロー)とギデオン・ローズ(フォーリン・アフェアーズ誌副編集長)の論争が浮き彫りにする「奇妙な国際環境」における権力政治の実態。

米外交問題評議会インタビュー
イラク再建に国連の政治的役割を

2003年5月号

エリック・シュワルツ 米外交問題評議会シニア・フェロー

以下はエリック・シュワルツ米外交問題評議会シニア・フェローへの戦後イラクに関するインタビューからの抜粋。シュワルツは現在、同評議会の戦後イラクに関するタスクフォースのディレクターを務めている。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。

民主的なイラクをどう構築するか

2003年5月号

アディード・デウィシャ マイアミ大学政治学教授
カレン・デウィシャ マイアミ大学政治学教授

イラク民主化の試みが成功するか、失敗するかは、新制度をイラク固有の社会構成や特徴をうまく踏まえたものにできるかどうかに左右される。課題は、イラクの社会的・文化的なモザイクをうまく生かせるような政治体制を考案し、そうした多様性をいかに前向きの変化に向けた動力にできるかだ。連邦国家、政治制度、議会をどう設計し、民主的価値が受け入れられるような社会的基盤をどう育んでいくのか。

単極構造世界と安保理の崩壊
―― 安保理はなぜ死滅したか

2003年5月号

マイケル・J・グレノン/タフツ大学フレッチャー・スクール国際法教授

米欧の対立劇が表面化する前から、すでに国連安保理の命運は尽きていた。第2次湾岸戦争が問題だったのではない。世界の権力構造そのものが、国連憲章が想定していた秩序から大きく様変わりしたのだ。地政学をめぐる唯一の「真理」とは、「国はパワーを模索することで、安全保障を確保しようとする」ということだ。この国家の本能的思惑を不器用に管理しようとする法的制度は、最終的にはこの「真理」によって淘汰されてしまう。各国は(好都合なら)法的制度をツールとして利用し、不都合なら無視する。国際的な法の支配の実現を再度求めるのなら、こうした国の行動パターンと単極構造秩序という現実を認識することが第一ステップとなる。

米外交問題評議会リポート
米欧間の亀裂をどう修復するか
―駐米仏独大使との対話

2003年5月号

スピーカー
ウォルフガング・イッシンガー 駐米ドイツ大使
ジャン・D・レビット 駐米フランス大使
司会
  リチャード・ホルブルック 元米国連大使

何が重要な戦略課題かについての共有認識を形成し、それにいかに対処するかについて、米欧の政府はもっと包括的なコンセンサスを形成すべきだ。(W・イッシンガー)
アメリカはハードパワーにソフトパワーを重ね、ヨーロッパはソフトパワーにハードパワーを重ねる必要があると思う。そうすれば、よりバランスのとれた米欧関係になる。(J・D・レビット)
そもそも第二の安保理決議など必要なかった。だが米英は、第二の決議を求めるという戦術的な間違いを犯し、これが戦略的な間違いへとエスカレートし、世界規模の混乱を招いてしまった。(R・ホルブルック)

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