核によるテロの脅威は実存するのか
2004年11月号
「いつ、どこで、誰が、どのように核テロを起こすかを検討すると、核によるテロが起きるのは必然だとさえ考えるようになった。なぜそのような事態が起きるかよりも、なぜいまのところ起きていないかのほうが不思議なほどだ」(アリソン)。 (邦訳文は二〇〇四年秋にニューヨークの米外交問題評議会で開かれたミーティング・プログラムからの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる)
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2004年11月号
「いつ、どこで、誰が、どのように核テロを起こすかを検討すると、核によるテロが起きるのは必然だとさえ考えるようになった。なぜそのような事態が起きるかよりも、なぜいまのところ起きていないかのほうが不思議なほどだ」(アリソン)。 (邦訳文は二〇〇四年秋にニューヨークの米外交問題評議会で開かれたミーティング・プログラムからの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる)
2004年11月
2004年11月号
中央軍事委員会主席ポストを辞した江沢民の表舞台からの退場によって指導層の世代交代は完了し、中国には胡錦涛や温家宝らが率いる第四世代の新指導層が誕生した。だが新世代の指導者たちは、貧富の差の拡大、腐敗の蔓延、共産党の権限の衰退という現実を前に、いかに経済と政治の改革を進めていくかという大きな課題に直面している。経済至上主義がつくり出した社会問題に、新指導層はどう対処していくのか。共産党の支配体制はどうなるのか。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。
2004年11月号
いまや世界はアメリカのことを、都合のよいときだけ国際法を持ち出し、そうすることが有利な場合だけ国際機関を利用する国際社会の異端者とみなしはじめている。国際法へのコミットメント、コンセンサス重視型の政策決定、特定の問題よりも巨視的な問題を重視する姿勢、世界平和の維持へのコミットメントという戦後のアメリカの正統性を支えてきた四つの支柱がなぜかくも大きく揺らぎだしたのか。アメリカの正統性を回復する道はあるのか。
2004年11月号
ロバート・ゲーツは、2006年12月上旬に提言を発表したイラク研究グループ(ISG)のメンバーだっただけでなく、2004年に米外交問題評議会(CFR)がまとめたイラン問題タスクフォースの共同議長も務めていた。現在、ブッシュ政権は、内外の政策提言を検証しつつ、イラク政策見直しを行っている。ISGはイラク問題を管理していくための国際会議の開催を提言し、リチャード・ホルブルック元国連大使も、最近のインタビューで、イラク問題を論じるのに、イラン、シリア抜きでは意味がないと発言している。核開発を続けているとしても、イラクの安定化にはイランの協力が欠かせないとすれば、かつてイランへの関与を説いたゲーツ新国防長官はどのようなイラク・イランへの政策スキームを考えているのか。本文は、イラン問題に関するCFRタスクフォースが2004年夏に発表したリポートに関する討論。
2004年10月号
サウジアラビアの石油輸送の拠点が攻撃され、イラクの武装蜂起がさらに激化し、ナイジェリアで民族浄化が起き、旧ソビエトのチェチェン人分離勢力が破壊工作活動を行い、ベネズエラが禁輸策をとれば、世界の石油の供給はどうなるだろうか。非常事態に備えた、多層的な供給ラインの整備が必要である。
2004年10月号
経済問題よりも外交、安全保障問題が重視される二〇〇四年の米大統領選挙で問われる課題は何か。イラク戦争の結末はどうなるのか、テロとの闘いに勝利できるのか、中国の台頭は脅威か、国際協調と単独行動のバランスをどうとるのか。邦訳文は次期大統領の外交課題に関する討論会からの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。
2004年10月号
現在の技術では、大量破壊兵器(WMD)開発に関する情報の収集・分析は完全なものではなく、テロに対する防衛同様に、WMDに対する防衛も複層的なものとならざるを得ない。核分裂物質がテロリストの手に渡らないようにし、生物兵器テロの被害を最小限に抑え込めるような公衆衛生体制をつくり、核不拡散条約(NPT)の抜け穴を埋め、WMD関連情報の収集と分析の質を高める必要がある。
2004年10月号
―― 新大統領の外交アジェンダ 新大統領の主要な外交課題は何か?
専門家の多くは、イラクとアフガニスタンの戦後復興、イラン、北朝鮮を中心とする核拡散問題、テロとの戦い、本土防衛、そして台頭する中国との穏やかな関係の構築を今後のアメリカの大きな課題とみなしている。
ハーバード大学のジョセフ・ナイは、新大統領の課題について次のように語っている。「最優先の課題は、テロと大量破壊兵器(WMD)の脅威への対応だ。第二の課題は、世界におけるアメリカの名声と信頼を再生すること。第三の課題は、中国の台頭にどう対処し、東アジアの安定をどう図っていくかだ」。
2004年10月号
欧州連合(EU)への加盟が実現すれば、トルコはもっと欧米に近づき、「近代的なヨーロッパ国家としてのトルコ」というアタチュルクの夢がついに実現する。だが、ヨーロッパがトルコを受け入れることを拒絶すれば、トルコ国内で欧米に対する反動が起き、ウルトラナショナリストや宗教的過激派が勢いづき、この国の自由化、民主化、非軍事化路線が覆されるかもしれない。文化的にも地理的にも東と西の十字路に位置するトルコの国内政治の展開、そしてトルコのEU加盟問題にヨーロッパがどう対応するかは、今後の西洋とイスラムの関係に大きな影響を与えることになる。