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論文データベース(最新論文順)

ウクライナのオレンジ革命

2005年4月号

エイドリアン・カラトニツキ フリーダム・ハウス顧問

ウクライナのオレンジ革命が冷戦後の東ヨーロッパの歴史の大きな分岐点、この地域が地政学的に大きく欧米側にシフトするという分水嶺であることは間違いないが、オリガーク(寡頭政治の支配者)による圧政を国内運動で打破したウクライナの革命が、ロシアを含む他の旧ソビエト諸国にどのような影響を与えるかはまだわからない。ヨーロッパとロシアの間で揺れる国々にとって、オレンジ革命は何を意味するのか。そしてウクライナはどこへ向かうのか。

次なる核武装化潮流

2005年3月号

ジョン・B・ウォルフスタール/カーネギー国際平和財団アソシエート

核兵器の価値を認め、核拡散を不可避とみなす宿命論が勢いを得ていけば、新たな核武装化の波が起きる。北朝鮮やイランの核開発の脅威を前に、世界は無節操な核拡散へ向かいかねない危険な状態にある。この潮流を押し返せるとすれば、核の平和利用という名目の下に何が許されるのかを再定義することに各国が前向きになり、すべての国が合意するコンセンサスをとりまとめられた場合だけだろう。

NPTとイラン核開発問題の本質

2005年3月号

ローレンス・シェインマン/モントレー国際大学教授

「民生目的と称して、外部から必要な技術のすべてを導入して完全な核燃料サイクルを完成し、NPT第十条の条約脱退の権利を行使して、『状況が変わったので、核兵器を生産する』とイランが言い出したらどうするのか」。NPTの欠陥をこう指摘する核不拡散問題の専門家ローレンス・シェインマンは、五月のNPT再検討会議では、このシナリオをめぐって多くの議論が行われると予測する。新型核の開発に関心を持っているアメリカはNPTを順守していないと批判されても仕方がないとコメントする同氏は、非核保有国が条約上の義務を守るように要請するとともに、核保有国も条約上のコミットメントを守らなければならないと強調した。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。邦訳文は英文からの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

論争 北朝鮮ウラン濃縮疑惑の真相

2005年3月号

ロバート・ガルーチ 前国務省政策企画局長
ミッチェル・リース 元国務次官補

「ハリソンは、良い逸脱行為と悪い逸脱行為を区別しようと試みている。だが、ウラン濃縮問題は六者協議の中核的課題だし、平壌のこれまでの悪質な行動からみても、北朝鮮の核問題を完全かつ後戻りできぬ形で解体するには、ウラン濃縮問題も間違いなく解決しなければならない」。(リース&ガルーチ)
「リースとガルーチは、二〇〇三年四月に北朝鮮が高強度アルミ管を輸入しようと試みたことを引き合いに出し、それをもって、現実に北朝鮮がアルミ管を入手したかのような議論をしている。私も論文で、同じ事例を引いたが、・・・北朝鮮が実際にアルミ管を入手したかどうかはむしろ疑問だと考えている」。(ハリソン)
朝鮮半島問題の専門家セリグ・ハリソンは「『北朝鮮によるウラン濃縮』というアメリカの疑惑」(フォーリン・アフェアーズ日本語版および日本語インターネット版二〇〇五年一月号)で、ブッシュ政権は北朝鮮がウラン濃縮計画を進めていることを示す断片情報を基に平壌が高濃縮ウランを生産していると断定したが、実際には核不拡散条約(NPT)で核の平和利用として生産が認められている低濃縮ウランの開発を試みていたにすぎないのではないかと疑問を表明し、彼の疑問を支える分析を示した。これに対して、今月号では、二〇〇五年二月まで米政府高官として機密情報に接する立場にあったロバート・ガルーチ、ミッチェル・リースが北朝鮮の兵器級ウラン濃縮計画の「証拠はある」と反論し、科学者のリチャード・ガーウィンもハリソンの分析手法の問題を指摘している。

核不拡散レジームをどう立て直すか

2005年3月号

CFRアップデート

核不拡散条約(NPT)の最大の問題は、NPTの第四条が認めている民生用の核エネルギーの開発プロセスのなかで、各国が核兵器を生産するのに必要な知識のほぼすべてを得てしまうことにある。その後、条約上の義務を破って民生用プログラムを軍事プログラムに転換することもできる。北朝鮮、そしておそらくはイランの核開発、さらには盗み出された核によるテロの脅威を前に、こうした核不拡散レジームのほころびをどう繕っていくかが問われている。邦訳文は英文からの抜粋・要約。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

イランの核開発を食い止めるには

2005年3月号

ケニス・ポラック/ブルッキングス研究所セバン中東研究センターディレクター
レイ・タキー/米外交問題評議会中東担当シニア・フェロー

核開発を重視するイランの保守派イデオローグと、深刻な状態にある経済の再建の必要性を重視する保守派リアリストの間には大きな亀裂がある。ワシントンは、欧州、日本などの同盟国からの協調を取りつけた上で「核兵器か経済の安定か」の二者択一をテヘランに迫り、リアリストの立場を強化するために、イラン経済を再生させるような大きな見返りか、あるいは、経済を完全に疲弊させるような厳格な経済制裁を準備しておく必要がある。アメリカと同盟諸国は、核開発を阻止するために兵器かバターかをめぐる最後通牒を突きつけるチャンスを手にしている。

北朝鮮、イランへの政権交代策を

2005年2月号

マックス・ブート/米外交問題評議会シニア・フェロー

武装ゲリラ勢力に対抗し、彼らを粉砕する力を持つイラク政府を誕生させることを最重要課題とみるマックス・ブート(米外交問題評議会シニア・フェロー)は、イラク治安部隊の整備と強化を最優先に取り組む必要があると指摘し、仮に治安部隊の整備がうまくいかない場合には、米軍の規模を倍増させるか、あるいは、大幅に削減させることを提言している。 聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。全文(英文)はwww.cfr.orgからアクセスできる。

アメリカの経常赤字とドルを考える
――第二のプラザ合意が必要か

2005年2月号

ピーター・ピーターソン/米外交問題評議会理事長
フレッド・バーグステン/米国際経済研究所(IIE)所長

「アジア諸国は、自国通貨が過小評価された状態を保ち、世界の市場への輸出ポジションを強化し、自国の失業問題をアメリカなどの諸外国に輸出するために市場に介入している。これは、国際通貨基金(IMF)や世界貿易機関(WTO)のルールを無視した行為である」。アジア諸国を通貨問題の交渉テーブルにつかせるとともに、アメリカでの大がかりな保護主義の台頭の機先を制するには、輸入課徴金の導入さえも検討すべきかもしれない。

ブッシュ訪欧で米欧は和解へ向かう

2005年2月号

ジョセフ・ジョッファ/独「ツァイト」紙発行人・編集長

ドイツの有力週刊紙「ツァイト」の発行人・編集長で、優れた外交コメンテーターとしても知られるジョセフ・ジョッファは、ブッシュ大統領の訪欧によって、米欧和解はシンボル面でも実質面でも軌道に乗ったと分析する。氷よりも冷たかったブッシュとシュレーダーの関係も和解へと向かい、反米路線を外交の要諦とするフランスのシラク大統領さえも、自分の側にシュレーダーをつなぎ止められるか確信がもてなくなってきたために、いまや対米関係の修復に躍起となっている、と。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティグ・エディター)。全文(英文)は、www.cfr.orgからアクセスできる。

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