イスラエルの新戦略とは何か
――占領地撤退戦略の真意
2006年8月
![](https://www.foreignaffairsj.co.jp/cms/wp-content/uploads/2006/08/shutterstock_416767342-260x174.jpg)
占領地からの撤退に反対し、占領地はいずれ取引材料になるという議論に対して、シャロンは「取引相手がいないのに、取引材料を持っている価値がどこにあるのか」と反論した。占領地からの撤退と防護壁に即した防衛ラインの強化というイスラエルの新路線について、シャロンの後継を担うオルメルトは次のように述べている。分離壁の外側にある入植地は最終的には解体され、これら入植地の住民は「イスラエルの支配下にある入植地ブロックにまとめられる。……それ以外の占領地にイスラエルのプレゼンスはなく、これらの地域が将来のパレスチナ国家の領土となる」。イスラエルは、1967年以前の境界線に極めて近い境界線を引こうとしている。