エネルギー資源輸出国のロシア、経済成長を支えるのに必要なエネルギー資源を求める中国。互いの経済的必要性を満たす両国の接近を自然のなりゆきと考える専門家も多い。だが、両国の接近は貿易領域に留まらない。「アメリカの影響力を封じ込める」という共通の戦略目標を掲げる中国とロシアは、貿易だけでなく、中央アジアにおける資源開発や安全保障、そして、北朝・イランの核開発問題をめぐっても協調・共闘路線をとっている。両国は、アメリカの覇権に対抗するために広範な領域での外交問題について政策のすりあわせを行い、協調している。また、「ロシアが中国の後ろ盾となれば、経済的にも軍事的にもますます日本の立場は危うくなる」と中ロ連合の日本への余波を指摘する専門家もいる。アメリカの覇権に対抗する中ロ連合を軸に、東アジアの地政学はどう変化していくのか。