イランの「戦争世代」強硬派の代表的人物であるアフマディネジャド大統領の世界観は、イスラム主義のイデオロギー、ナショナリズム、国際秩序への不信感で成り立っている。「戦争世代」は、アメリカとの紛争は避けられないとみており、アメリカを抑止するには、戦略兵器を保有するしかないとみている。一方、「インド・モデル」に注目する「現実主義者」たちは、国際社会とグローバル経済への統合を果たすには、核開発に対する制約も受け入れざるを得ないと考え、核拡散防止条約(NPT)の許す範囲内で開発を進めることを求めている。必要なのは、「イランとアメリカが心配する懸案のすべてを網羅するような交渉」において、両国が合意できる部分を増やしていくことではないか。核問題を、より広範なアメリカとイランの関係における病の症状の一つとみなし、根本の病を治していくような路線が必要だ。イランの核問題を解決できるとすれば、アメリカとイランの全般的関係が大きく改善した場合だけであることを認識する必要がある。邦訳文は、米外交問題評議会(CFR)のレイ・タキーが、米上院の「連邦金融管理・政府情報及び国際安全保障に関する小委員会」に、7月20日に提出したイラン問題に関する書簡証言。