米中G2構想という幻想
―― 対中多国間アプローチを
2009年05月号
グローバルな課題に対応していく上でアメリカは中国の協力を必要としている。だが、この観点から米中の二国間関係を強化しようと試みても、利益認識や価値観の違い、政策遂行能力の違いが災いして、うまくパートナーシップを形成するのは現実には難しい。中国との協力という言葉は心地よい響きを持つが、実際にはそれが一筋縄ではいかないことを認めなければならない。結局は混乱に直面して双方が反発しあうことになる。こうした関係悪化の下方スパイラルの渦にはまるのを避けるには、ワシントンは中国への対応をめぐって世界各国から支援を引き出すべきだ。現状における重要な問題のすべてに中国が影響を与えているとみなし、台頭途上のグローバルなパワーである中国からより多くの協調を引き出したいと考えているのはアメリカだけではない。アメリカが中国との関係を前に進めたいのであれば、他の国も中国との交渉に参加させる必要がある。
