独立したアラブ世界は自由を手にできるか
―神権政治か民主主義か
2009年5月号
「現在のアラブ諸国政府の多くは、「民衆の忠誠心に依存しているか、あるいは民衆の従順さに依存しているか」のどちらかだ。「忠誠心」は民族、部族、宗教、あるいはこれらの組み合わせを基盤に形作られている。一方、「人々の従順さに依存する体制」とは、全体主義や共産主義の管理と強制のテクニックを用いるヨーロッパ流の独裁制のことだ。……だが、忠誠に重きを置くわけでも、これまでのように抑圧的でもなく、むしろ、同意と参加による統治の実現を模索する集団が増え、その重要性も増してきている。こうした集団の規模はそれほど大きくないし、今のところ目立つ行動はできない状態に置かれているが、このような集団が出現していること自体、きわめて画期的な出来事だ」。
