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歴史的にみても、アメリカが中国を封じ込めようと日本との関係を強化したり、古くからの同盟諸国や小規模な地域国家に配慮せずに中国との関係強化を模索したりすると、アジアの秩序は常に緊張したものだ。だが今日の状況は、米中が協調関係にあり、日米同盟は堅固な基盤を共有し、日本と中国の関係も改善に向かっている。そこには、見事な勢力均衡が成立している。もちろん、北朝鮮問題が残されており、いかなる政権がワシントンに誕生しようと、核武装した北朝鮮との外交関係の正常化に応じたり、平和条約を結んだりすることはあり得ない。一方、平壌が本気で核を放棄するつもりなら、6者協議は2008年には核の解体という最終局面に進む。今後必要になるアジアの安全保障構造を形作るには、アメリカは、東南アジア諸国へのさらなる関与を行い、2国間関係を強化するとともに、北東アジアでの多国間安全保障フォーラムを構築し、相互に関連する2国間、3国間、多国間の制度ネットワークを形成しなければならない。