カシミール問題をめぐってインドとの関係が緊張すれば、パキスタンはタリバーンやアルカイダよりも、むしろインドを主要な敵対勢力とみなすようになり、対テロ戦争にはますます本腰を入れなくなる。この意味において、カシミール問題は、今後のアメリカの政策にとっても重要なファクターとなる。状況をこう分析する南アジアの専門家、ハワード・B・シェーファーは、次期大統領は、インド、パキスタン双方にカシミール問題への自制を求めて、対話の継続を促すとともに、ワシントンはより多くの関心をこの問題に寄せていく必要があると指摘した。ただし、カシミール問題は、インドとパキスタンの国家アイデンティティーに関わってくる微妙な問題であるため、問題を解決しようとするよりも、それをうまく管理していくことを心がけるべきだと示唆した。
聞き手は、バーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)。