経済開放政策が中国社会を揺るがしている。現状の開放策を維持するか、それとも中国らしさを支える伝統的な価値へと回帰するかをめぐって、地域も軍もナショナリストたちさえも内に分裂を抱えている。
改革開放路線を導入した鄧小平は、当初から「反帝国主義スローガン」に代わる国の統合と連帯を図るツールが必要なことを理解していた。経済開放策を導入しようとしているのに、「反帝国主義スローガンではなじみが悪い。そこで、(国を束ねるツールとして)誕生したのがナショナリズム路線だった」。だが、あまりにナショナリズムを多用すれば、近隣諸国の多くをアメリカ側へと追いやってしまうことに気づいた胡錦涛は、一転、近隣諸国への柔軟外交に転じた。
そしていまやナショナリストたちは、アメリカとの良好な関係を可能な限り維持するか、それとも、ヨーロッパや東南アジアとの貿易と投資の流れをもっと強化し、アメリカへの依存状況を軽くするかで割れている。
邦訳文は、バーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティング・エディター)のエドワード・