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論文データベース(最新論文順)

金融市場規制を考える

2009年1月号

スピーカー
ウィリアム・H・ドナルドソン 元米証券取引委員会委員長
スティーブン・フリードマン 元国家経済会議議長
アーネスト・パトリキス 元ニューヨーク連邦準備銀行第一副総裁
司会
ジョン・ガッパー フィナンシャル・タイムズ紙首席ビジネス・コメンテーター

必要とされているのは、リスク・テイキング(リスクを厭わない行動)と創造的な才能を金融システムから取り除くことなく、変動の度合いを大幅に和らげるような金融規制だろう。そのためには金融規制を根本的に見直す必要がある。(S・フリードマン)

投資活動はグローバル規模で行われており、アメリカ以外の国の規制システムに抜け穴があれば、アメリカの規制システムもうまく機能しなくなる。規制に関わってきた人々は、世界の主権国家が規制について合意するのがほとんど不可能なことをよく理解している。何が良い規制や会計基準なのかについて多様な考え方があるからだ。(W・ドナルドソン)

シリアとイランへの外交路線を 中東和平プロセスに結びつけよ

2009年1月号

スピーカー
リチャード・N・ハース 米外交問題評議会会長
マーチン・S・インディク ブルッキングス研究所セバン中東センター所長
司会 ゲリー・セイモア 米外交問題評議会研究部長

前提条件をつけずにイランとも直接交渉をする準備をしておくべきだが、それは二国間ではなく、多国間交渉枠組みでなければならない。また、見返りを示すとともに、一連のペナルティも準備しておくべきで、ロシアと中国を間違いなくイランとの交渉に参加させなければならない。(R・ハース)

 シリアが戦略的再編に応じるなら、ゴラン高原から撤退するという取引は、イスラエルの安全保障エスタブリッシュメントにとっては非常に魅力的なはずだ。イラン、ヒズボラ、ハマスとの連帯からシリアを離脱させれば、国境の北のイラン、そして南のガザとレバノンがイスラエルを脅かす能力を低下させられるし、このプロセスを通じてアラブ世界の対イスラエル路線を、戦争から和平へと向かわせることができるようになる可能性もあるからだ。(M・インディク)

オバマ政権の北朝鮮政策を考える

2009年1月号

スピーカー
マイケル・グリーン 戦略国際問題研究所日本部長
ゲリー・セイモア 米外交問題評議会研究部長
司会
ドン・オーバードーファー ジョンズ・ホプキンス大学ポール・ニッツスクール米韓研究所所長

交渉か戦争かという二者択一の枠組みにとらわれ続ければ、結局は、「北朝鮮問題よりも重要で切実な問題が他にあるので、戦争は選択肢にならず、とりあえず、相手が欲しがるものを与えておこう」ということになる。これによって、北朝鮮問題を解決するわれわれの能力は大きく損なわれ、北東アジアにおけるアメリカの立場も損なわれる。(M・グリーン)

 核軍縮(解体)が実現する可能性は乏しいとしても、核開発の能力を枠にはめるための現在のプロセスを続けるほうがよいと考えている。最終的には、北朝鮮の体制は力を失い、崩壊していく可能性が高いと思う。つまり、われわれのゲームは、その時が訪れるまで、現在の(核開発能力制限・無力化する)プロセスを維持し、問題を管理していくことだと思う。(G・セイモア)

CFR ミーティング
グローバル経済の危機と機会
――今は新秩序に向けた創造のとき

2009年1月号

スピーカー
ゴードン・ブラウン/イギリス首相
司会
ロバート・ルービン/ 米外交問題評議会副理事長

「イランにおいて全ての判断を下しているのは最高指導者のハメネイだ。・・・しかしラフサンジャニが、反ハメネイの立場からコムの高位宗教指導者との連帯を組織しようとしているし、真の宗教的権威をもつモンタゼリも今回の選挙とハメネイの統治に公然と挑戦している。ハメネイは、その再選を政府が公表しているアフマディネジャド大統領を生け贄にするか、自分も船から降りるかどうかをいずれ決めなければならなくなる。ハメネイは非常に微妙な立場に立たされている。妥協しすぎれば、弱さの証しとみなされるだろうし、デモはますます拡大する。一方で、全く妥協しなければ、不正が行われたと広く考えられている選挙で再選された人気のない大統領を守るために自らも失脚してしまう危険に直面する」。聞き手はバーナード・ガーズマン(www.cfr.orgのコンサルティグ・エディター)

金融危機を前に、世界の多くの国は歴史的な転換点にさしかかりつつある。これまでとは逆に、国の役割が大きく、民間の役割が小さくなる時代へと向かいつつあり、アメリカのグローバルなパワーも、アメリカ流の民主主義の訴求力も弱まりつつある。こうした危機の一方で、バラク・オバマが大統領になり、広く希望が持たれていることは幸運だが、それでも、「歴史の流れ」と「2008年の危機」の双方が、世界をアメリカの一極支配構造から遠ざけていくことは避けられないだろう。今回の金融危機が、世界の中枢がアメリカから離れていくという歴史的な潮流と重なり合っているからだ。中期的には、アメリカの世界における影響力は低下し、中国を中心とする他の諸国がより早いペースで台頭するチャンスを手にすることになる。

アメリカ流市場経済モデルの崩壊?
――何が金融危機を引き起こし、今後、どうするのか

2009年1月

ハロルド・ジェームズ/プリンストン大学ウッドロー・ウィルソン・スクール教授

「2008年3月、アメリカ政府が米証券会社のベアー・スターンズを救済しようと努力していた当時は、事態はすぐにでも収束すると多くの人は軽く考えていた。だが、(この書評で取り上げる書の筆者である)マーチン・ウォルフはフィナンシャル・タイムズ紙のコラムで、ベアー・スターンズに救済策がとられた『2008年3月14日の金曜日を「グローバルな市場経済・資本主義の夢が潰えた日」と記憶に留めよう』と書いている。そのわずか6カ月後には、アメリカ政府は金融問題の悪化を食い止めるために、中国式の解決法を採用した。資本の流れを制限するための大規模な政府介入に踏み切ったのだ。奇しくも、これは、アメリカ政府がアジア各国の政府にアメリカ・モデルの優位を説いてから10年後の出来事だった」

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