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1990年代は中央・東ヨーロッパに民主主義を定着させることが課題とみなされていた。だが現在は、さらに東側のヨーロッパとアジアが出会うユーラシアを安定化させるというさらにむずかしい課題にわれわれは直面している。トルコ、ウクライナ、グルジア、アルメニア、アゼルバイジャンなど、バルカン半島から黒海、南コーカサスにいたる地域の安定化が問われている。南北を不安定な中東と敵対的なロシアに囲まれているこれらの国々が、ヨーロッパ大西洋コミュニティーの南方における新たな「側壁」を形成しつつあることを認識すべきだ。現在の西バルカン地域、グルジア、ウクライナなどの黒海周辺地域は、10年前の中央ヨーロッパや東ヨーロッパよりもさらに不安定で大きな危険にさらされている。