「とてつもなく大きな課題を前にして萎縮しつつも、そうした課題に正面から取り組めば大きな機会を手にできると期待している。インドはこの二つの思いの間で揺れている」とニレカニは言う。彼は、お粗末な公衆衛生政策、エネルギー供給の欠陥、環境対策への無関心をそうした課題として指摘する。「長期的にみて、潜在力を開花できずに失望にくれるか、期待を上回る成果を挙げるか。インドの行き着く先は、そのどちらかだ」とみる彼は、かつては短所や欠陥とみられていたものが、むしろ長所、強みとなっていると彼は言う。人口の多さ、混沌とした民主主義、植民地時代の屈辱を思い出させる英語、これらの短所がいまや大きな資産となっている。だが、今後の多くは、環境悪化とエネルギー問題にどう取り組んでいくか、そして有能な人材を海外から呼び戻せるように国内の体制を整備できるかによって決まる。