CFR政策メモランダム
もしイスラエルがイランを攻撃すれば
2010年4月号
「イランの核開発はイスラエルの存在を脅かす実存的脅威であり、イラン空爆作戦を実施してもアメリカとの関係が大きく動揺することはなく、一方で状況を放置すれば、民衆と国家が大きな危険にさらされる」。イスラエルがこう判断すれば、軍事行動をとるべきだという意見が趨勢になる。たしかに、核施設への空爆を実施しても、イランは核開発計画を立て直して再開し、今後は、核開発の多くを地下施設で進めて防衛態勢を強化し、イスラエルはこれに応じて情報収集・軍事能力を高めていかなければならなくなるだけだ、という考えもある。だが、核開発計画の完成を先送りし、時間を稼ぐことの価値も無視できないと考える人もいる。・・・イスラエルに自制を求める上でもっとも必要なのは、イスラエルを安心させ、彼らが一人だと感じさせないことだ。