アラブの春の進展を阻む石油の呪縛
2011年10月号
石油資源の国有化によって産油国政府は資金力を持つようになり、かつてなく強大なパワーを手に入れた。圧倒的な資産と経済パワーが政治家の手に移り、中東地域の支配者たちは公共サービスを向上させ、民衆をなだめるための社会プログラムのために石油資産の一部を使用するとともに、その多くを自らの富と権力のために用いた。リビアのカダフィはその具体例だ。仮に豊富な石油資源を持つ中東の独裁者が選挙で選出された指導者に置き換えられたとしても、権威主義が復活する不安はぬぐいきれない。中東諸国の独裁者と王族は石油マネーを利用して体制の支援者だけでなく、潜在的な反体制派もカバーする巨大なパトロンネットワークを形成しているからだ。その結果、独立系の市民社会集団が社会に根を張るのが構造的に難しくなっている。
