アラブストリートの反乱
―― 民衆の怒りが米外交を揺るがす
2024年6月号
![](https://www.foreignaffairsj.co.jp/cms/wp-content/uploads/2024/05/shutterstock_290501603-260x174.jpg)
「ガザへの爆撃がついに終わり、人々が家に帰れば、怒りの矛先は違う何かに向けられ、中東の地域政治は平常に復帰する」。ワシントンではこう考えられている。しかし、この仮説は、中東で世論がいかに重要になっているか、2011年の「アラブの春」の騒乱以降、何が本当に変わったのかを理解していない。アラブ民衆の怒りのタイプと激しさ、アメリカの優位の低下と正統性の崩壊、アラブ諸国の政権が地域間競争だけでなく国内体制の存続を優先していることから考えても、新しい地域秩序ではアラブの世論がより重視され、配慮されるようになるだろう。ワシントンがアラブの世論を今後も無視し続けるようなら、ガザ戦争後の計画を台無しにすることになる。