中国の真意はどこに
――人民元、南シナ海、領有権論争
2010年10月号
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人民元の切り上げを一時的に容認しつつも、中国は、それがまるでルールであるかのように、あるいは、アメリカの決意を試すかのように、7月と8月には人民元価格を再び固定(ドルにペグ)させた。今回についても、中国が為替政策を永続的に変化させるかどうかは今後をみなければ分からない(S・デュナウェイ)
領有権問題に限らず、中国外交は他のいかなるものよりも主権を優先させる。だが国際社会の責任ある利害共有者であれば、主権とそうした主権の主張が関わってくる国際公共財を明確に区別することはできないはずだ。(E・フェイゲンバーム)
二国間関係の上昇局面と下降局面の急激な変化サイクルを永続的に繰り返す。これが新しい関係の形なのかもしれない。少なくとも、アメリカも中国も関係が制御不能に陥っていくことは望んでいない。米中が合意できるのはこれだけかもしれないが、当面は、これで満足するしかないだろう(E・エコノミー)
中国は領有権論争のある南シナ海(のパラセル諸島、スプラトリー諸島)をめぐって東南アジア諸国と対立したのに続いて、今度は東シナ海をめぐって日本とも対立した。この数ヶ月で中国は10年をかけて育んできた近隣諸国における中国への好感情を一気に破壊するような行動をとっている。一体中国は何を考えているのか。(J・クランジック)
現在の流れは2012年の中国に新指導層が誕生することと密接に関連している。将来の指導者たちは、他の世界に対して中国が毅然と接していくことを示すことで、自分たちの立場を示しておきたいと考えている。(A・シーガル)