世界のクリーンエネルギー・プロジェクトへの投資の8分の7は、政府の補助金がなければ、在来エネルギーとは競合できない既存技術を対象としており、真の技術革新への投資は、全体からみれば、ほんの一部でしかない。問題は、政府によるクリーンエネルギー促進策が景気刺激策の一環として実施されてきたことだ。その結果、投資家は、在来型のエネルギー資源と競合できるようになるポテンシャルを秘めた技術革新レベルの高い技術ではなく、(補助金が期待でき)早く簡単に実施できる既存のプロジェクトへと資金をつぎ込んでしまった。クリーンエネルギー産業の先行きは憂うつと言わざるを得ない。地球温暖化を引き起こさずに大規模な電力を生産できるのは現状では原子力だけだ。貴重な公的資金を、バイオ燃料、あるいは、ソーラーエネルギーや風力エネルギーにつきまとう断続問題を克服できるエネルギー貯蔵技術を含む、電力生産領域における画期的な技術革新の実証実験と配備へとシフトさせる必要がある。