
地域諸国が(宗派その他の思惑から)それぞれシリアの国内勢力に関与し、現地で代理戦争が展開されかねない事態へと陥りつつある。いまや事態はこの方向へと急速に向かいつつある。シリア社会は分裂している。自由シリア軍を中心に反政府運動が拡大する一方で、政権が倒れた後に何が起きるかわからないために、一部には、現状に不満を感じつつも、少なくとも表向きはアサド政権の立場を支持する人々もいる。そして(スンニ派)アラブ諸国は、民衆を殺害する手法をアサド政権が際限なく続け、流血の事態を積み重ねていることに対する怒りだけでなく、イランを中核とするシーア派三日月地帯、イラン枢軸を切り崩すには、(アラウィ派ながらも、イランとの緊密な同盟関係にある)アサド政権を倒すのが最善であると判断し、シリアの政権が倒れることを願っている。