レッドチャイナの復活
―― 習近平のマルクス主義
2022年12月号
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習近平の中国は、鄧小平路線に象徴される改革開放路線、プラグマティズム路線と完全に決別した。改革時代の終わりの儀式を司ったのが第20回党大会だった。マルクス・レーニン主義の信奉者である習の台頭はイデオロギー的指導者の世界舞台における復活を意味する。共産党による政治・社会の統制時代へ回帰し、中国における少数意見や個人の自由のための空間は小さくなっていくだろう。経済政策も市場経済路線から国家主義的アプローチへ戻され、国際的現状を変化させることを目的とする、ますます強硬な外交・安全保障政策が模索されるようになる。考えるべきは、この計画が成功するのか、それとも、このビジョンに抵抗する政治的反動が内外で引き起こされるかだろう。